【東東京】駒込逆転勝利 木内主将の気迫が呼んだ 難病乗り越え全力プレー

[ 2019年7月14日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権 東東京大会2回戦   駒込4―2都大田桜台 ( 2019年7月13日    江戸川区 )

<駒込・都大田桜台>8回無死、投前バントで一塁に滑り込む木内(撮影・郡司 修)                          
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 思い切り野球をやれる幸せ。難病を抱える駒込の主将・木内は体全体で表現した。2点を追う8回に先頭でセーフティーバントをし、全力疾走した。惜しくもアウトになったが、気迫のヘッドスライディングが打線に火を付ける。続く1番・砂野から5連打で4点を奪って逆転勝ち。「アウトになってしまったけれど、結果的にみんなが点を取ってくれた。良かった」と安どした。

 昨秋東京都大会後、突然、体に異変が起きた。腹痛から始まり、血尿やタンパク尿が出るようになったという。病院で「放っておけば腎不全になる」と9月下旬に入院。IgA腎症だった。心配する同僚はお見舞いに訪れたり、励ましの連絡もくれたが「つらすぎてスマホも見られなかった」。10月初旬に退院も、再検査が必要となり再び運動禁止。今年2月にようやく復帰した。「入院中は野球の動画をよく見て、退院後の動けない期間は練習の風景を観察してメモを取っていた」と、できる限りを尽くした。

 同じ病気を克服した選手の存在も励みになった。同僚の家族を通じ、Honda鈴鹿の平尾奎太投手と知り合う。大阪桐蔭―同大と進んだ左腕は、病と闘いながらドラフト候補になった。「“夏はとにかく楽しめよ”と言われた」。二塁を守り、3回には右前打。思う存分、打って走った。

 金丸健太監督は「(セーフティーバントは)彼の判断。よくやったと思う」と称えた。「まずは夏のベスト4が目標」と木内。同校の過去最高成績である東東京大会8強のその先へ、力を振り絞る。

 ▽IgA腎症 主に小学校高学年以後に多く発症し、腎臓の糸球体にIgAという蛋白(たんぱく)が沈着する指定難病。検尿などで判明するケースが多く、進行すると腎機能低下や高血圧の合併などを引き起こす。国内の患者は推計約3万人。根本的な原因が特定されていないため、治療は腎不全を防ぐ目的で行われる。

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