大谷“史上最強”の瞬間――「試合ではこれの2割増しですよ」

[ 2018年4月30日 14:45 ]

<アストロズ・エンゼルス>5回2死一塁、レディックに101マイルの速球を投げ込む大谷
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 4月24日。エンゼルスの大谷が敵地・アストロズ戦でメジャー先発投手で今季最速となる101マイル(約163キロ)を2球計測した。日米メディアがこぞってこの話題をメーンに取り上げた。

 試合後の会見。米メディアが「だんだんと球速が上がっているが、日本ではどのくらいの時期で球速のピークが来ていたのか?」と質問を投げかけた。大谷は言った。「165キロを投げた時はポストシーズンだったので、特にピークとかはなかったです。自分の体の状態が良い時と、試合の状況がマッチした時にたまたま出るような感じだと思います」。絶対に勝たなければいけない試合ほど、相手が強ければ強いほど、内なる闘志が燃える。実に「大谷らしい」コメントだった。

 大谷が振り返る「ポストシーズン」とは、16年10月16日のCSファイナルS第5戦、日本ハム―ソフトバンク(札幌ドーム)。9回にDHから救援登板し、プロ野球最速を更新する165キロを連発して日本シリーズ進出を決めた。登板直前の大谷の投球をブルペンで受けたのは、試合に出ている市川(今年4月にソフトバンクにトレード移籍)だった。いつも以上に気合の入った剛速球がミットを叩いたが、大谷は市川に向かって「(試合では)これの“2割増し”くらいですよ」と言い放ったという。試合中にブルペンで受けること自体が異例だった市川は「(試合では)2割増しどころではなかった。151キロのフォークもやばかった。史上最強だったんじゃないか」と回想する。

 投手は制球力が命。緩急も大事だ。球が速ければ打者を抑えられるものではない。それはメジャーでも日本でも同じだ。ただ、大谷にしか投げられない剛速球に人々が魅了されるのもまた、事実だ。27日のヤンキース戦での走塁中に左足首を捻挫し、28、29日の同戦は欠場。故障者リスト(DL)入りの予定はなく、幸いにも大事には至っていないという。打っては同僚のトラウトやプホルスをしのぐ打球飛距離を飛ばし周囲の度肝を抜く。二刀流・大谷翔平には紛れもなく野球のロマンが詰まっている。

 大谷が言う「自分の体の状態が良い時と、試合の状況がマッチした時」は、レギュラーシーズン中に訪れるのか、はたまた世界一を懸けたポストシーズンか。シーズンはまだ始まったばかり。焦りは禁物だが、一刻も早い回復を待ちたい。(記者コラム・柳原 直之)

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