工藤監督 大幅打線組み替え成功 途中出場の本多が10回V打

[ 2018年4月30日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク7―4オリックス ( 2018年4月29日    京セラD )

<オ・ソ>決勝打の本多(左)は最後を締めた森と笑顔で握手
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 ソフトバンクは29日、今季初の延長の末、オリックスを7―4で下し貯金を2とした。「KANSAI CLASSIC 2018」として南海の復刻ユニホームを着用した試合で終盤に粘りを発揮。9回に同点に追いつくと、4―4の10回1死満塁で途中出場の本多雄一内野手(33)が走者一掃の右中間三塁打を放った。13年目の一振りで競り勝ったチームは3、4月の勝ち越しを決めた。

 初球から振る。本多に迷いはなかった。4―4の延長10回1死満塁。吉田一の外角フォークを捉えた打球が、右中間を破った。三塁ベースを回り、3走者の生還を見届けると拳を握った。

 「みんながつないでくれたチャンス。初球から行く気持ちじゃないと、投手に負けてしまう。気持ちを強く持って臨んだ」

 13年目の今季、定期的に満塁の打席が回ってくる。4日の西武戦は遊ゴロ併殺打、10日の日本ハム戦は見逃し三振だった。好機で凡退しても「2ストライクまでは振り切ることをキャンプからやってきた」と、信念はぶれなかった。工藤監督は「最初から振る勇気があのヒットになった。ああいう思いを持ってくれるとチームもいい状態になると思う」と絶賛した。

 前夜は4打数無安打。今季は右投手が先発時はスタメン起用されていたが、この日は高田にスタメンを譲った。「今に始まったことではない。去年もその前もそういうことはあった。スタメンから外れても左右されない」。試合前には三塁側ブルペンで打ち込みを敢行。「(前日は)真っすぐを捉えられていなかったので」と周到な準備が、途中出場での一打につながった。

 上林を今季初の1番に置き、不振のデスパイネを6番に下げるオーダーで臨んだ一戦。チームは9回に守護神・増井から同点に追いつくなど、粘り勝った。工藤監督は「チーム一丸となって絶対に勝つんだという気持ちがあった」と、本多と同じく「気持ち」の勝利を強調した。

 昨季は不振で2軍落ちを経験し、わずか62試合の出場にとどまった本多は言う。「打てなければ練習するしかない。自分を信じてやろうと」。一振りに懸ける思いが、満塁機の重圧を跳ね返した。(川島 毅洋)

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