計41Kは板東英二超え!松井 対策立てられても19K 

[ 2012年8月17日 06:00 ]

<桐光学園・常総学院>桐光学園・松井は1回戦に続き2ケタ19奪三振の力投

第94回全国高校野球選手権2回戦 桐光学園7―5常総学院

(8月16日 甲子園)
 1回戦で22奪三振の大会新記録をマークした桐光学園(神奈川)の怪腕・松井裕樹投手(2年)が、2回戦の常総学院(茨城)戦で毎回の19三振を奪い、7―5で振り切った。2試合計41奪三振は、58年の板東英二(徳島商)の40を超える新記録。また、2試合連続毎回奪三振も史上5度目の快挙で、再びの記録ラッシュとなった。今夏の主役に躍り出た左腕は、19日の3回戦では浦添商(沖縄)と対戦。再び歴史を塗り替える準備はできている。

 期待は裏切らない。午前11時に満員通知が出され、スタンドには4万7000人の大観衆。「三振の数は意識しないけど、ピンチでは狙いにいく」。奪三振ショーのクライマックスは連打で2点差に詰め寄られた8回2死二塁。松井がフルカウントから力を振り絞って投じた142キロの外角直球に、飯田のバットが空を切る。左腕は雄叫びを上げ、全力疾走で一塁ベンチに戻った。

 「常総学院さんが凄くて、自分はまだまだと感じた。でも、相手が研究してくる中で粘って勝てたのは良かった」

 序盤から順調に三振を奪った。真っすぐで押して、要所で得意のスライダーを織り交ぜる。3回までに7三振。さらに5回まで5連続を含む10三振を奪った。「これから先はカーブとスライダーだけでは厳しい。上を目指すには必要なので試しました」と、中盤からは1回戦で投げなかったチェンジアップ、フォークも2球ずつ試投。6回にはフォーク、8回にはチェンジアップでいずれも田山から三振を奪った。さらに3アウト目にはこだわった。「元気よくベンチに帰って攻撃につなげられるように」と、9回のうち6度、三振を奪ってダッシュでマウンドを降りた。終わってみれば、初戦で14得点した常総学院の強力打線を相手に、毎回奪三振で歴代2位タイの19奪三振。2試合で奪った三振の数は実に41に上った。

 負けん気の強さは人一倍だ。中学時代の全国大会決勝。背番号「10」をつけた松井は、完封で優勝を飾った。大会MVPを確信していた閉会式。名前は呼ばれず、その後の記念写真には膨れっ面で納まった。当時からバッテリーを組む鈴木航は「かなりムッとしていました」と回顧する。

 高校入学後に覚えた、縦に鋭く変化するスライダー。リリースの瞬間に、左手中指にグッと力を込める。意識する点は「全力で腕を振る」こと。打者は直球の軌道から変化する球に対応できない。神奈川大会7試合を含め、相手校は「浮いた高めの球を狙え」と松井攻略に挑んできた。だが、浮いたと思った球は気付けば地面に着いている。

 1大会通算最多奪三振は58年の板東英二の83。松井が今の奪三振ペースで決勝まで進出すれば、123というとてつもない数字となるが、「試合が終わってチームが1点でも多く勝っていればいい」と涼しい表情を崩さない。押しも押されもせぬスター誕生。三振の山で、甲子園を熱くし続ける。

 ▼桐光学園・野呂雅之監督(松井について)記録が出て緊張する中で、立ち上がりにいつもの自分を出してくれた。そこは100点。精神的にタフだと思う。ストライクからボールになる球を振らせるのは球の切れがある証拠。

 ▽毎回奪三振 桐光学園の松井が2回戦の常総学院(茨城)戦で記録。松井が1回戦の今治西(愛媛)戦で記録して以来、通算76度目。2試合連続は、82回大会で浦和学院の坂元が記録して以来、史上5度目。

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