マ軍の“王様”ヘルナンデス 完全試合狙って「起きた」

[ 2012年8月17日 06:00 ]

<マリナーズ・レイズ>完全試合を達成しマウンド上で喜ぶマリナーズ・ヘルナンデス

ア・リーグ マリナーズ1―0レイズ

(8月15日 シアトル)
 マリナーズのフェリックス・ヘルナンデス投手(26)が15日(日本時間16日)、レイズ戦で史上23人目、1900年以降の近代野球では21人目の完全試合を達成した。今季は4月21日にホワイトソックスのハンバー、6月13日にジャイアンツのケーンが達成しており、同一シーズンに3人が達成するのは史上初めて。マ軍はハンバーに完全試合を許しており、同一シーズンに両方を経験した史上初めてのチームとなった。

 27人目の打者からこの日12個目の三振を奪うと、ヘルナンデスは天に両腕を突き上げた。マウンド上に仁王立ちした1メートル91、104キロの右腕は、押し寄せるチームメートにあっという間にのまれた。川崎、岩隈も飛びつく。圧巻の113球で、球団史上初の完全試合を達成した。

 「常に完全試合をしたいという気持ちが俺にはある。毎試合そう思っている。きょうそれが起きた。この喜びは言葉に表せないよ」

 最速96マイル(約154キロ)の速球と鋭い変化球でレイズ打線を寄せ付けない。セーフコ・フィールドのファンがざわめき始めた6回以降はさらにギアを一段階上げた。6、8回は3者連続空振り三振。9回2死、ロドリゲスには2ボールから3球連続変化球で見逃し三振に仕留め「四球が脳裏をよぎったが、呼吸を整えた。(捕手ジェイソの)リード通りに投げて良かった」と相棒への感謝も忘れなかった。

 敵将の揺動作戦にも動じなかった。7回2死、ジョイスへの初球のストライク判定をめぐって、レ軍のジョー・マドン監督が球審に抗議。約3分間の抗議の末に敵将は退場処分となった。無安打を続ける右腕にとってはリズムを崩されかねない場面だったが、気持ちを落ち着かせると、フルカウントまで粘られながらも一ゴロに打ち取った。「何が起きても関係ないよ」と精神的なタフさも見せつけた。

 10年にはサイ・ヤング賞を獲得したベネズエラ出身の26歳。05年、19歳の若さでメジャーデビューし、当時から実力に加えてそのふてぶてしい態度が「王様」のようで「キング・フェリックス」の愛称が付けられた。09年からヘルナンデスが投げる試合は左翼ポール際に「キング・コート」と呼ばれる応援席が150席設けられる。おそろいの黄色のTシャツと三振を示す「Kボード」付き。歴史の目撃者となったファンも狂喜乱舞した。

 目下7連勝で、この間の防御率は1・56。イチローが抜け、地区最下位のマ軍で唯一の「王様」として君臨するエースは「試合終盤は誰も話しかけてこなかったよ。いつも話しかけてくるグティ(グティエレス)でさえね」と言って、笑わせた。

 ◆フェリックス・ヘルナンデス 1986年4月8日、ベネズエラ出身の26歳。02年に16歳でマリナーズに入団し、05年8月4日のタイガース戦で19歳でメジャーデビュー。メジャー2年目の06年には12勝を挙げて頭角を現し、以降08年を除いて2桁勝利をマーク。10年には13勝ながらリーグトップの防御率2・27、投球回249回1/3などが認められてサイ・ヤング賞を受賞した。通算成績は230試合96勝72敗、防御率3・17。1メートル91、104キロ。右投げ右打ち。

 ≪米国以外2人目≫今季の大リーグは完全試合を含め、6度目の無安打無得点試合となった。これは1884年の8度、1990、91年の7度に次ぐ4番目の多さ。また、マ軍は6月8日のドジャース戦で6人の継投によるノーヒットノーランを達成しており、同一シーズンで一人の投手と継投のダブルで達成したのは史上初めて。また、米国以外の投手としては、91年にニカラグア出身のデニス・マルティネス投手が達成して以来、21年ぶり史上2人目。

続きを表示

この記事のフォト

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2012年8月17日のニュース