釜田 松坂以来の高卒新人1―0初完封 甲子園敗戦から1年 (1/2ページ)

[ 2012年8月17日 06:00 ]

<楽・日>プロ初完封の楽天・釜田はお立ち台でマスコットのクラッチから祝福のキス

パ・リーグ 楽天1-0日本ハム

(8月16日 Kスタ宮城)
 平成の怪物に肩を並べた。楽天の釜田佳直投手(18)が16日の日本ハム戦でパ・リーグの新人トップとなる5勝目をプロ初の完封勝利で飾った。高卒新人の完封は10年の阪神・秋山以来も、1―0の完封は99年の西武・松坂(現レッドソックス)以来13年ぶりの快挙となった。昨夏の甲子園では金沢のエースとして出場。「北陸の超特急」と呼ばれ沸かせた18歳は再び巡ってきた真夏に強烈な輝きを放った。

 大きな重圧が襲いかかる。9回2死。釜田はあと1人までこぎつけながら中田、稲葉に連打を浴びた。陽岱鋼を迎え、念じるようにつぶやいた。

 「力むなよ、力むなよ」。フルカウントから投じた118球目。スライダーは抜けたが、空振りで7個目の三振を奪った。1―0の完封勝利。18歳は本拠地・Kスタ宮城の夜空に両手を突き上げ、感情を爆発させた。

 大歓声で迎えられたお立ち台。「9回を投げ切るのは大変だなと思いました。みなさん、ヒヤヒヤさせてすみません」と謝罪で始まったが、最後は「1―0の緊迫した展開で自分以上の力を発揮できた」と胸を張った。

 初回から球威、変化球の切れも抜群。3回2死で西川をこの日最速の150キロの直球で見逃し三振を奪い「フォームがしっくりきた」という。投げ終わった際に何度もバックスクリーンに視線を送ったのは「遠くを見ることでホームが近く見える」から。独特の制球力アップ術だ。99年の松坂以来13年ぶりとなる高卒新人の1―0完封を伝えられ「当時は(5歳で)あまり記憶にない」と苦笑いしたが、1年前の8月16日は甲子園3回戦で敗れた日でもあり「この1年は本当にあっという間という感じです」と感慨深げに振り返った。

 原点回帰だった。高卒新人で無傷の3連勝を挙げたが、7月下旬に不振で2軍落ち。1軍復帰した前回9日オリックス戦(Kスタ宮城)は4勝目を挙げたが、7回途中でスタミナが切れ、113球で降板した。球数が増えたのは引っ掛け気味の投球が多かったから。その原因は投球時に軸足の右足の爪先が打者寄りに向いていたこと。爪先の方向をプレートと平行にすると体の開きがなくなり、引っ掛けなくなった。球威も復活。これは高校時代のフォーム矯正法の一つで、プロで初めて試みたものだった。

 依然として5位ながら首位・日本ハムとは4・5ゲーム差。若手が台頭している今季のチームを象徴する釜田の力投に星野監督も「(9回は)どんな状況になっても最後まで投げさせようと思っていた」と目を細めた。「甲子園で学んだのは大舞台での気持ちのコントロールやチームプレーの大切さ。本当に勉強になりました」

 まだ表情にあどけなさが残る18歳は、真夏がよく似合う。

 ▽釜田の昨年8月16日VTR 夏の甲子園3回戦で、釜田擁する金沢(石川)は習志野(千葉)と対戦。自己最速の153キロを計時するなど球威抜群で9三振も奪った。しかし3回に先制を許すと、打線が同点とした直後の7回には勝ち越しを許し結局1―2で敗戦。同校初の8強入りを逃した。号泣した釜田は「未熟」と振り返った。

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