美誠、飛んできたラケットとっさにかわし淡々2冠!“みまひな”女子複圧倒V3

[ 2020年1月19日 05:30 ]

卓球 全日本選手権第6日 ( 2020年1月18日    大阪市・丸善インテックアリーナ大阪 )

3年連続で女子ダブルスを制した伊藤(右)と早田(撮影・北條 貴史)
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 女子ダブルスは、伊藤美誠(19=スターツ)・早田ひな(19=日本生命)組が3連覇を果たした。準決勝をストレート勝ち。決勝では、相手のラケットが飛んでくるハプニングがあったものの、素早くかわす身体能力を見せ、芝田沙季(22=ミキハウス)・大藤沙月(15=ミキハウスJSC)組に3―1で勝利。伊藤は男女を通じて初の3年連続3冠に王手とした。男女シングルスは4強が出そろい、19日の最終日は2年連続準決勝で“みまひな”がぶつかる。

 3冠へ突き進む伊藤が、あやうく全日本の魔物につかまりそうになった。女子ダブルス決勝は1ゲーム先取。流れよく第2ゲームを迎え1―3で1点返した直後、相手のラケットが頭上を襲った。

 「飛んできたことは分からなかった。ひなが危ないって言ってくれて気付きました」

 とっさにかわした身体能力に5100人の会場がどよめいた。早田の強打を取ろうと強振した芝田が、パートナーの大藤と交錯。弾みで、ラケットが飛んだのが原因だった。隣にいた早田は、1メートル66の自分と1メートル50のパートナーの身長を頭に浮かべながら「美誠だからよけられたけど、私だったら当たっていたかも」と証言。2人が「経験がない」と口をそろえた珍事だった。

 平野、丹羽、水谷ら東京五輪代表が姿を消す一筋縄ではいかない今大会。女子のエースも予期せぬハプニングに見舞われたが「芝田さんの手の方が心配で、大丈夫かなと思った」と相手を心配するほど落ち着いていた。

 この直後から大黒柱の働き。芝田の強打を打ち返す形で3点決めた。早田も後陣から得意のフォアハンドで打ち抜いた。昨年決勝と同じ顔合わせで、再び3―1で完勝した。

 準優勝をした昨年4月の世界選手権以来のコンビ結成ながら、ブランクを感じさせなかった。気心は知れている。昨年末は2人で横浜市内を“デート”。観光名所の横浜赤レンガ倉庫を訪れた。

 「卓球の話はしないです。そういう時間が大事」と早田。親密だからこそ、9カ月ぶりでも「年始に練習した時に、昨日ダブルスを組んだっけというくらいかみ合った」と息が合った。

 伊藤は史上初の3年連続3冠に王手をかけた。昨年同様、女子シングルス準決勝で早田と当たる。「お互いにダブルスを優勝していい流れ。力を出し切れるように」。魔物は退けた。あとは女神が待っている。

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