木下、日本人選手最上位8位浮上 ツアー未勝利も“全英切符”射程圏に

[ 2020年1月19日 05:30 ]

男子ゴルフツアー SMBCシンガポールオープン第3日 ( 2020年1月18日    シンガポール セントーサGCセラポンC=7397ヤード、パー71 )

スタートの1番でティーショットを放つ木下稜介(撮影・石川 勝己)
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 日没サスペンデッドとなっていた第2ラウンドの残りと第3ラウンドを行った。16位から出たツアー未勝利の木下稜介(28=ハートランド)が6バーディー、2ボギーの67で回り、日本人最上位の通算7アンダー、8位に浮上した。首位に2打差の4位から出た16年リオ五輪銅メダルのマット・クーチャー(41=米国)がこの日のベストスコア62をマークし、通算17アンダーの首位に躍り出た。

 30度を超える酷暑と湿気、視界を遮るほどの豪雨。真冬の日本とは正反対のタフな状況下、ツアー本格参戦7年目の木下が今、飛躍を予感させる好調なゴルフを続けている。

 「快調すぎるくらい良くて。全部がうまくいく感じでしたね」
 1番で2メートルを沈めるバーディー発進。5番でグリーン奥のカラーから7メートルを放り込むと、ここからの5ホールで3連続を含む4バーディーを奪い、上位争いに加わった。激しい雨の中、11番で第1打を右にふかしてボギーを叩くなど後半失速したが、それも貴重な経験と今は笑顔で割り切ることができている。

 世界ランク2位まで上り詰めた松山、数々の最年少記録を打ち立てた石川とは同じ91年度生まれ。香川西では明徳義塾出身の松山と四国大会からしのぎを削ってきたが「今は天と地の差があります」とこの10年余りですっかり遠い存在になってしまった。

 しかし、ジュニア時代から心に描く「海外進出」の夢を諦めたわけではない。昨年11月からプロ野球日本ハムの中田翔らが通うトレーニングジムに入門。当初はわずか20分で吐いてしまうほどの過酷なメニューをこなし、体重はこの2カ月で2キロ増。スイング軌道が安定し、オフのプライベートラウンドは60台前半を連発していた。

 首位とは10打差。ツアー初Vは遠いが、有資格者5人を除く上位4人に与えられる全英切符は射程圏だ。初の海外メジャーへ勝負の18ホールを迎える。

 ◆木下 稜介(きのした・りょうすけ)1991年(平3)7月16日生まれ、奈良県出身の28歳。10歳からゴルフを始め、香川西高3年だった09年全国高校選手権で2位。大阪学院大4年だった13年末にプロ転向した。18年6月に下部ツアーで1勝。同年はフジサンケイ・クラシックで最終日最終組で回って4位に入るなど活躍し、賞金ランク54位で初シードを獲得した。昨季はトップ10が6試合で2548万2410円を稼ぎ、賞金ランク34位。得意クラブはアイアン。目標はタイガー・ウッズ。家族は両親と弟。1メートル74、75キロ。血液型B。

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