「1・17」から25年…神鋼、逆転で連勝「僕たちは忘れてはいけない」

[ 2020年1月19日 05:30 ]

ラグビー トップリーグ第2節   神戸製鋼36―24ヤマハ発動機 ( 2020年1月18日    ヤマハ )

後半11分、トライを決める神戸製鋼・日和佐(撮影・吉田 剛)
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 神戸製鋼が敵地でヤマハ発動機を下し、開幕2連勝とした。セットプレーに定評のある相手に、ボールを動かす展開ラグビーで対抗。「1・17」から25年を迎えた翌日、神戸市北区で被災したSH日和佐篤(32)のトライなどで難敵を撃破した。

 見えない力が背中を押した。10点リードの後半11分、SOカーターのパスを受けたSH日和佐が敵陣深くの密集を抜け出す。1メートル66の小柄な体ごと飛び込んだインゴール。特別な日に、特別な2人で演出したトライが、ヤマハ発動機との打ち合いに終止符を打った。

 「僕らはパフォーマンスを出すしかないので。それを見て、感じてもらえればいい」

 日和佐の口調には、覚悟があった。「1・17」から25年。前日の練習後に全員で1分間黙祷し、ミーティングでは復興の旗手になる使命を再確認した。とりわけ神戸市北区出身で、小1の時に自宅で被災した日和佐の思いは強い。昨年サントリーから移籍。勝利のメンタリティを持ち込み、間違いなく神鋼の風景を変えた。

 その背番号9にラストパスを出したカーターも、赤いジャージーに決意を秘めていた。消防士の父親がシーズン前に来日。キヤノンとの開幕戦前日(11日)、2人は神戸港にある震災メモリアルパークを訪れた。カーターが高校時代を過ごしたニュージーランド・クライストチャーチも11年に大地震で被災。そのとき、救助活動に携わった父は、パーク内に爪跡を残す自然の脅威を前に息子と語り合った。「神戸の人に思いをささげるような試合がしたい」。有言実行――。背番号10の闘志が雨上がりの敵地で得た勝ち点4に直結した。

 「震災当時、大変な思いをした人がいて、僕たちは今、ラグビーができている。それを忘れてはいけない」

 神妙な顔で口にした橋本大主将の言葉が重い。神戸に本拠を置き、深紅のジャージーを身にまとう以上、その宿命からは逃げられない。思えば未曾有の大災害に見舞われたのは、チームが日本選手権7連覇の偉業を達成した2日後だった。連覇へ、勢いのつく開幕2連勝。あの黄金時代を取り戻した時、一つの復興が完遂する。

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