高御堂 エコ五輪切符 1000&1500優勝 2大会連続確実に

[ 2013年12月15日 05:30 ]

男子1000メートルで優勝した高御堂(中央)は余裕のガッツポーズ

スピードスケート ショートトラック・ソチ五輪代表選考会第2日

(12月14日 大阪プールアイススケート場)
 男子の高御堂(たかみどう)雄三(25=トヨタ自動車)が日本スケート連盟の選考基準を満たし、2大会連続の五輪代表入りを確実にした。高御堂は1000メートル、1500メートルで優勝。1500メートルは9月の全日本距離別と合わせて4戦3勝とした。女子では五輪出場が確実な酒井裕唯(26=日本再生推進機構)が1000メートル、1500メートルを制し、2日連続2種目制覇。伊藤亜由子(27=トヨタ自動車)は1000メートルで4位、1500メートルで2位に入り五輪代表入りを確実にした。

 両手の人さし指を天に向かって突き上げ、高御堂は悠々とゴールした。13周半で争う1500メートル決勝。スタートで3番手につけ、体力を温存しながらポジションをキープ。残り4周からのスパートで押し切った。

 残り9周で先頭を奪う力ずくのレースだった準決勝とは一変。「決勝になればメンバーも強い。ずっと先頭で行くのは厳しい。うまく前の位置を取りながら行けた」。“エコドライブ走法”で完勝し、声を弾ませた。序盤から好位置を確保する技術はライバルと認める坂爪亮介(タカショー)の滑りを研究して会得した。好敵手不在の決勝でぶざまな姿を見せるわけにはいかなかった。

 大の車好き。現在所属するトヨタ自動車に憧れて工業高校(愛知・一宮工)に進学。多くのアスリートをサポートする同社は男子ゴルフの松山英樹(東北福祉大)と所属契約を結ぶことが確実だが、高御堂は一般試験で入社した。職場への愛着は強く、試験課燃料油材室に勤務し、部品と油の相性を調べるのが主な仕事。競技がオフの4月は担当を任され「楽しかった」と目を輝かせる。

 トヨタ自動車を選んだ理由はもう一つある。同社には94年リレハンメル大会から4大会連続で五輪に出場した寺尾悟氏が在籍していたからだ。高校時代まで無名だった高御堂は、身近な第一人者から多くのものを吸収して急成長。09年から全日本選手権を3連覇。10年バンクーバー五輪にも出場する実力者になった。

 自分を高めてくれた環境に感謝し、職場の仲間に活躍を誓う。「会社に入って8年間(シーズン中は)僕がいない分、仕事で他の人に迷惑をかけた。恩返しするには結果を出すしかない」。バンクーバー五輪は1000メートル、1500メートルとも予選落ちと不本意な結果に終わった。今季限りで第一線を退く意向。最後の晴れ舞台はソチ五輪。目標はもちろんメダル獲得だ。

 ◆高御堂 雄三(たかみどう・ゆうぞう)1988年(昭63)1月11日、愛知県一宮市出身の25歳。兄と一緒に今伊勢西小2年から一宮クラブでスケートを始める。今伊勢中ではハンドボール、テニス、陸上、水泳など他競技も経験。一宮工を経てトヨタ自動車入り。09年から全日本選手権3連覇。趣味はドライブ。1メートル69、64キロ。

 ▽ソチ五輪への道 日本の出場枠は女子が5、リレーで出場を逃した男子が3。男女とも9月の全日本距離別選手権と今回の選考会で500メートル、1000メートル、1500メートルの3種目を各4レース、計12レース滑り、成績に応じてポイントを獲得する。12レースのうち成績が良かった9レースのポイント合計で総合8位以内の選手を選考対象とし、種目ごとに成績が良かった3レースのポイント合計でトップだった選手を最優先する。続いて9レースのポイント合計の順位を重視し、女子の5人目はリレーの適性を考慮する。

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