“山の神”柏原に続け!東洋大5区 設楽兄・啓太に託す

[ 2013年12月15日 05:30 ]

東洋大主将である設楽兄弟の兄・啓太(左端)がトレーニングに励む

 第90回箱根駅伝(来年1月2、3日)で2大会ぶり4度目の優勝を目指す東洋大が14日、埼玉県内の同大キャンパスで練習を公開した。昨年の出雲駅伝から学生3大駅伝は5大会連続2位。王座奪還に向け、酒井俊幸監督(37)はエースの設楽啓太主将(4年、武蔵越生)を山上りの5区に起用する可能性を示唆。設楽啓も前向きな姿勢で、今季2冠の駒大、連覇を狙う日体大と形成する3強から抜け出す秘策とする構えだ。

 もう2位はいらない。昨年10月の出雲駅伝から学生3冠は5大会連続2位の東洋大の雪辱プラン。若き指揮官は「強風などの自然条件次第」としながら「特殊区間といっても脚力が必要。エースの投入も含め、攻める区間を考えたい」と話し、5区に1万メートル27分51秒54とチーム最速ランナー・設楽啓を起用する可能性を示した。

 「山の神」と言われた柏原竜二(現富士通)が抜け、焦点とされた今年1月の前回大会の5区。定方俊樹(当時3年)を起用したが区間10位で首位から3位に転落した。今大会は定方が故障し再び経験者が不在となったが「やはり往路で勝ったチームが勢いに乗るのが今の箱根。5区までの4区間で稼ぐタイムと、5区だけで稼ぐタイムを比較すればどうか」と攻めの姿勢を強調した。

 1年時から3大会連続で花の2区を務め、前回大会は日本人最高の区間3位。だが、設楽啓にも異論はない。「上りは苦手じゃない」のが一つ。前回大会の5区で区間賞を獲得し、日体大をVに導いた服部翔大は高校時代から埼玉県内でしのぎを削ったライバル。「同学年には負けたくない」のも一つ。そして「どれだけ柏原さんの記録に近づけるかチャレンジするのは楽しみ」なのがもう一つの理由だった。

 その柏原が主将を務めた12年に箱根を制したのが、東洋大の最後のV。「まさか自分がなるとは思わなかった」主将を拝命した設楽啓にとって「自分のことだけを考えていた3年生までより、責任感が増した」という成長を証明するためには、勝利が絶対条件となる。先月の全日本大学駅伝で2位に敗れて以降、月1度だったミーティングを毎週のように開いた。「今は結束力も高まった。勝つ自信がある」。もちろん、切り札は自分自身だ。

 ◆設楽 啓太(したら・けいた)1991年(平3)12月18日、埼玉県大里郡寄居町出身の21歳。武蔵越生高―東洋大経済学部在学中。箱根駅伝では1年時から3年連続で2区を走り、1年時区間7位、2年時2位、3年時3位。今年5月のゴールデンゲームズinのべおかでは日本人学生歴代6位の1万メートル27分51秒54をマーク。1メートル68、49キロ。卒業後はコニカミノルタ入り予定。

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