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銀世界で踊る銀ピカ マス釣りスポットで“訳あり”初挑戦

[ 2017年11月17日 07:11 ]

雪化粧した山をバックに長谷川さん
Photo By スポニチ

 【ワカサギ天国】奥日光・丸沼のワカサギ釣り。11月末で全魚種禁漁となるラストチャンスに訳あってのワカサギ挑戦。毎年何回もマス釣りで訪れているこの湖だが、実はワカサギを狙うのは初めてだ。案の定の厳しい自然条件の中、釣り上がる魚体一匹一匹に“風格”を感じながら、奥日光の早い冬を体験した。(スポニチAPC 若林 茂)

 去る11日に開催された「第14回丸沼ルアー・フライ釣り大会」を楽しみ、丸沼温泉・環湖荘に1泊して翌日はワカサギ釣りの取材。自分勝手な欲張り計画に奥日光の自然が牙をむいた。釣り大会は朝からの雨と強風で検量締め切りを1時間早めて成立。午後はミゾレからアラレと荒れて、12日朝は一面、白銀の世界に。

 「冬タイヤの4駆でないと上がって来られないから、ワカサギ釣りの人はいないかも」

 環湖荘・井上支配人の言う通り、釣り人はマス狙いの人ばかり。もしモデルがいなければ、自分の釣り姿をホテルマンに撮ってもらうしかない。それも無理なら、原稿締め切りから逆算して、明日、相模湖を取材すれば間に合うから…。

 まずは釣り人探しだ。ダムまで行き、暗い気持ちで引き返してくると、おっ、遭遇。先ほどは誰もいなかった発電所の沖にワカサギ釣りが!

 長谷川三夫さん(46=会社員、前橋市)は丸沼ファン。正面に魚探を据え、両脇の電動リールを見事に操る。

 「まだ30匹ぐらいかな。丸沼は何といってもこの環境、この景色。魚も大きくて、食べても最高。帰りには環湖荘の温泉を楽しんで…。おっ、とっ、とっ」。左手の竿を襲った強烈な引きを巧みにさばいて20センチの美しいヤマメを取り込んだ。

 さあ、今度は自分が釣る番だ。東岸沿いを探って行くとエラ沢沖、20メートルの底に濃い反応。白サシ餌の6本バリを投入すると、即、明確な当たりで最初から10センチ超のダブル。幸先良し、と勇んだが実は、この日の釣りには課題を抱えていた。

 バリバスの最新作ワカサギ穂先、4アイテムの実感テストだ。モーリス・グラファイト・ワークスの職人たちが一本一本、手研ぎした「ワカサギ・フィネス」の神髄を味わうのだ。先月、河口湖でのテストはワカサギの“荒食い”のために不成立「丸沼なら」になっていたのだ。確かに水温も低く、微妙な駆け引きもOKなのだが、自然条件が厳し過ぎた。強風でボートは尻を振り、タナ取りにも苦労する始末。

 場所を変え、15メートルの浅場から27メートルまで狙ったが、反応は急なカケ上がりに多く、強風に対処できない。それでも風の合間にポツポツ食うのは10〜12センチの良型ばかり。氷上釣りやドーム船での激シブ時に威力を発揮する穂先を、この条件で使うのが間違いだったかもしれない。でも、開発者であるバリバスのロッドビルダー・安達俊雄さんには、こう報告しておこう。

 悪条件の中でも「自然な追い食い」が認められたし、いわゆる「掛けバラシ」もほとんどなかった、と。そして激シブ体験には再々挑戦する、と。

 ▼釣況 環湖荘=(電)0278(58)2002。入漁料大人2160円、小人1080円。ボート平日2800円、土日祝日3300円。12月1日から来年4月下旬まで禁漁。

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