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【コラム】海外通信員

アメリカ代表11連勝中 ゴールド杯5度目V

[ 2013年8月9日 06:00 ]

ゴールド杯5度目の優勝を飾ったアメリカ代表
Photo By AP

 先月28日、アメリカがCONCACAFゴールドカップで5度目の優勝を飾った。

 ゴールドカップはCONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)が2年に1回開催している代表チームによる大陸選手権だ。1991年にゴールドカップとして組織されて以降、2回メキシコで共催されたことはあるが、基本的に全てアメリカで開催されている。今回も全てのゲームがアメリカで行われた。アメリカは中米からの移民が多く、物価も高いので大会ビジネスとしては都合がいい。今回も準々決勝以降はアメリカが出場しないゲーム日でも全て5万人以上を動員する人気ぶりだった。

 今回出場したのは12カ国。ホスト国アメリカとメキシコ、カナダがシード国として自動的に出場権を得ている。残りは昨年のカリビアン・カップで好成績を残したキューバ、トリニダード・トバコなどカリブ海地域4カ国と、今年の中米地域大会、コパ・セントロアメリカーナ優勝のコスタリカや2位ホンジュラスなど5カ国が出場した。

 大会形式はグループ・リーグとノックアウト方式の決勝トーナメント。グループ・リーグは4カ国ずつ3つのリーグに分けられたのだが、おもしろいことに出場権ではシードのメキシコとカナダは同じグループAに入っている。そしてカナダは0勝1分け2敗でグループ最下位となり、敗退してしまった。シード国としては形無しといったところだ。

 決勝トーナメントはグループ・リーグ成績上位8チームが出場した。今回驚かされたのはパナマの躍進だ。FIFAランキング51位だが、グループ・リーグで20位のメキシコを2―1で破り、2勝1分けでトーナメントに進出、準決勝でメキシコを再び2―1で撃破して2度目の決勝進出を果たした。一方のアメリカは全勝で5大会連続の決勝進出となった。

 決勝は双方守備的となり、つながりの悪いゲームとなったが、圧倒的にボールを支配し続けたアメリカが69分、右サイドからのクロスボールに、交代出場したばかりのMFブレック・シェイが合わせて決勝点を挙げている。

 W杯最終予選中の大会だけに、全力の大会といえない面もあったが、アメリカにとって優勝できたのは意義が大きかった。特にこれで代表は11連勝となり、チームの連勝記録を更新中だ。W杯最終予選も今回決勝を戦ったパナマを含め、6月は3戦全部に勝利している。のった状態にあるといえるだろう。以前お伝えしたように予選開始時には元ドイツ代表ユルゲン・クリンスマン監督と選手の軋轢も伝えられていただけに連勝がチームに活気をもたらした。

 W杯最終予選は現在アメリカが4勝1分け1敗で首位、コスタリカが2位、メキシコが3位となっている。

 アメリカは9月6日に敵地でコスタリカと、10日にホームでメキシコと戦う。共に3月に初戦を行っており、コスタリカに1―0で勝利し、メキシコには0―0のドローだった。まさに9月は正念場なだけに、今回の優勝、連勝は大きな要素になるかもしれない。(渡辺史敏=ニューヨーク通信員)

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