【オシム分析1】失望する必要ない 一つ上のレベルに進む可能性示した

[ 2014年6月26日 11:25 ]

<日本・コロンビア>前半ロスタイム、岡崎がヘディングで一時は同点となるゴールを決める

 主力選手が目標に掲げた優勝どころか、1次リーグ突破すら果たせなかったザックジャパン。惨敗の原因は何だったのか、日本に足りないものは何だったのか。厳しい結果の中にも収穫はあったのか。元日本代表監督の名将イビチャ・オシム氏(73)が、日本の戦いぶりを鋭く分析した。

 コロンビアに完敗し、1次リーグ敗退が決まったが、失望する必要はない。選手たちはよくファイトし、3試合の中では一番いい内容だった。長い目で見れば、日本のサッカーが進歩し、努力次第では一つ上のレベルに進む可能性を示した。

 【戦う気持ちが伝わったコロンビア戦】

 コロンビアはメンバーの大半を入れ替えてきた。そのため、フィジカル的にはフレッシュだが、全体として若く経験不足で、不安定になりうる。その半面、序盤で調子づかせれば、レギュラー組よりも強いぐらいの勢いが生まれる可能性もあった。

 立ち上がり、相手は積極的にプレスをかけ強者として実力を日本に見せつけようとしてきた。しかし、日本は簡単に屈することなくボールを追いかけ、逆にコロンビアにプレスをかけた。気温が高く(試合開始時31度)選手の疲労はあっただろう が、非常に速いテンポ、相手に休息を与えないリズムで主導権を奪い返した。

 どうしても勝ちたい、逆転したいという気迫が伝わってきた。ただし、荒れた芝のせいかミスが多い。パスミスやこぼれ球を拾われてカウンター攻撃を繰り返され、ハイテンポの勢いがどちらに転ぶか分からないオープンな打ち合いになった。

 日本にも何度かチャンスがあったが、いい形でシュートまで持ち込めない。逆にカウンターから反則を取られ、PKで先制された。スピードのあるFWを個人で止めようとするとそういう危険がある。それでも、選手たちは先に失点してもガッカリせず、初戦のコートジボワール戦のように崩れなかった。むしろ先制点の後、コロンビアが引き気味にシフトしたこともあり、ハーフタイム前の時間帯はほとんど敵陣内で試合が進んだ。

 岡崎の同点ゴールは相手のカウンター攻撃のボールを奪い返し、逆にハーフカウンターで反撃したところから生まれた。同点でハーフタイム。向こうは慌てていたはずだ。それは、後半の初めからエースのハメス・ロドリゲスを投入してきたことからも分かる。もし岡崎の同点ゴールと同時に前半が終了せずに、あと数分長ければ、日本が逆転していたかもしれない。

 2戦目までと異なり、リスクを冒して攻撃しようとした姿勢には好感が持てた。後半のコロンビアの追加点は、逆転を狙った結果が裏目に出たもので、責めることはできない。勇気を奮って攻撃的に挑んで、結果がついてこなかっただけだ。このような積極的なプレーが、初戦と第2戦でもできていたら、ここまで追い込まれることはなかったのにと、あらためて悔やまれる。

続きを表示

「サッカーコラム」特集記事

「久保建英」特集記事

2014年6月26日のニュース