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本田「惨め」も…貫く世界一の目標「この生き方しか知らない」

[ 2014年6月26日 05:30 ]

<日本・コロンビア>がっくりする本田

W杯ブラジル大会1次リーグC組 日本1―4コロンビア

(6月24日 クイアバ)
 惨めな終戦だ。C組の日本代表は24日(日本時間25日)、1次リーグ最終戦でコロンビア代表に1―4で敗れ、敗退が決まった。前半ロスタイムに本田圭佑(28=ACミラン)のクロスから岡崎慎司(28=マインツ)が同点ゴールを決めたが、後半に失速。1分け2敗と1勝もできず同組最下位に終わった。W杯優勝を公言してきた本田は責任を背負い、批判も受け入れることを明言。その上で、18年ロシア大会で世界一を目指す覚悟を示した。
【C組日程&勝敗表 試合結果 日本代表メンバー】

 試合終了とともに両膝に両手を突いてうなだれた。西川に肩を叩かれ、悔しさを押し殺すようにザッケローニ監督と握手を交わした。「W杯優勝」を公言しながら1分け2敗。本田の野望は跡形もなく打ち砕かれた。

 「自分が言ったことに対する責任もありますし…。非常に惨めですけど、これが現実」。その表情には、さすがに覇気はなかった。

 1次リーグ突破には勝利が最低条件だった。奇跡を信じ、前半ロスタイムには右サイドからのクロスで岡崎の同点弾をアシストした。だが後半に3失点と地力の差を見せつけられた。本田自身も本来のパフォーマンスは見せられずに終わった。

 W杯優勝を公言したのは10年南アフリカ大会の直前。そこから壮大な目標に向かって突き進んだ。個の成長だけでなくチームの成長も促し、相手が年上の今野であろうと厳しい言葉を浴びせるなど鬼にもなった。それでも…。「話すとキリがないけど細かな点の積み重ねで向こうの方が上回ってた。チャンスを決められず向こうはチャンスを決めた。そこに総括される」。世界の頂は遠かったという現実を受け入れるしかなかった。

 突き進んだ道が正しかったのか、間違っていたのか。「今後、必ず議論されていくと思う。しようがない。何を言っても負け犬の遠吠えになる。勝ってないんで“何言ってんねん”ってなるんでしょう」と批判を受け入れる覚悟を示した。ただ、こうも言った。「議論されるでしょうけど、僕はこのスタンスでいくことが選手個々の成長にもつながると思ってます」

 今大会での代表引退は否定し、18年ロシア大会を目指すことを宣言した。“我が家”というトップ下へのこだわりは強いが、関係者によると「ヤット(遠藤)さんのポジションも面白そう」とボランチにも色気を見せている。32歳で迎える次回大会。縁の下の力持ちとして世界一を目指すイメージも持っている。

 「自分にはサッカーしかない。自分らしくやっていくしか、やり方を知らない。あすから前を向いて進んでいく。強気しか僕には道がない。世界一の目標?ここで変えないと言っても“何言ってんだ”ってなるでしょうけど、俺はこの生き方しか知らないし、自分らしく生き続ける」

 何度も叩かれながら、そのたびにはい上がってきた。無残な結果でも涙は見せない。惨めな現実が本田を、日本を強くさせる。変わらない“本田節”はロシアへの号砲だった。 

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