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ザック監督、感謝の退任 言い訳、恨み言一切なく…通訳は涙

[ 2014年6月26日 10:59 ]

退任を表明し記者会見するサッカー日本代表のザッケローニ監督

 ワールドカップ(W杯)ブラジル大会で1次リーグ敗退が決まった日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(61)が25日、拠点イトゥでの記者会見で退任を表明し、「全身全霊で(チームの)成長を促すためにやってきた。私を受け入れ、そばにいてくれた方々にありがとうと言いたい」と述べた。敗退に無念の表情を浮かべながらも、引き際に言い訳や恨み言は一切なかった。

 選手やスタッフと誠実に向き合い、信頼関係を築いた。記者会見前の昼食時に、目を潤ませながら辞任とこれまでの感謝をチームに伝えた。通訳する矢野大輔さん(33)も大粒の涙を流した。「このチームの監督でいられてうれしかった。もう一度、選べたとしても同じメンバーでいく」と述べると、長友佑都(27)もむせび泣いた。

 「負ければ監督の責任、勝てば選手の成果」と伝え、選手に積極性を促してきた。今大会初戦で敗れた後にも選手にわび、チームを立て直そうと懸命だった。その姿は選手の胸を打ち、川島永嗣(31)は「監督のサッカーをピッチで表現できなかったのは僕らの責任」と肩を落とした。

 ACミランでイタリア1部リーグ(セリエA)を制するなどクラブでの実績は豊富だが、代表監督は初経験で国外での監督業も初めてだった。すし店に足しげく通うなど日本文化を理解しようと努めた。「恋に落ちた」という日本での冒険が幕を閉じた。(共同)

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2014年6月26日のニュース