人がつながるサテライト阪神

　私がサテライト阪神で働いていた時に『おぅ哲也君元気かえ！？』と初老であるが、誰が見てもただ者やないお客さん二人に声をかけられた。私がキョトンとしていたら『えらい冷たいがな。昔一緒にパクられた仲なんやで』。続けて『ワッハハ、そりゃ知らんわな。〇〇覚えてるか？ワシら〇〇の若い衆やったんや』。

　私は、生まれた時から隣に住む〇〇にめちゃくちゃ可愛いがられていてアッチコチ連れ回されていた。でよく行ったのは西宮と甲子園競輪場である。『今日は行かへんのん？』と私は特別に楽しみしていた記憶がある。なぜかというと、そこに行くとなんでも食べれるし、たくさんの人から小遣いをいっぱいもらえるからであった。

　私が幼稚園児の時、西宮競輪場で〇〇とそのお友達が『ホイ現行犯！』と一斉に腕をねじり上げられた。私に何が起こったか分かるよしもない。その瞬間〇〇に『走って逃げえぃ』と背中を押された。私は右や左そして股の間を擦り抜け、小ネズミのようにジグザグに逃げた。その事があの頃の競輪場がいかに客客客でごった返していた証拠であろう。
　〇〇はヤクザの幹部でノミ屋の胴元であった。身内でもないし幼稚園児の私に罪があることもない。ただまぎれもない事実は、私には秘密の未公認の決まり手【逃げ１】があることである（笑）。

　サテライトでこんなお客さんもいてました。『私、ラブホの駐車係してましてん。で、よく××選手がご利用されてました』。私は『うちの弟弟子ですわ。ええ奴なんやけどね…どうも下半身だけは人格ゼロでね…どうしようもない暴れん坊なんですわ…しかと言うときます！』『でも…しかし…もっともっと郡を抜いてるのは…』『ちょちょちょっと待って…お客さんドコのラブホ？』『△△ですわ』『アッチャ…』。

　他では『よく来てくれたんですよ』と飲食店のマスターも多いし『前にしゃべった事が…』とかもよくある。まっ、とにかく何があるか分からんし、これからちゃんと顔を覚える習慣つけよっと。えっ？何か間違っとるってか？