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最強“関西のおばちゃん”競輪ファンにおらんかな

[ 2014年4月30日 05:30 ]

 この前、久方ぶりにパチンコ屋に行った。

 「なんやねんこの台!なんぼ回してもいっこも言うこときかへんやん!腐ってるんとちゃうか!?」

 おったおった…相も変わらず通い続けてる常連のおばちゃんが。

 この漫才の格好のネタにされる“関西のおばちゃん”ウオッチングはワテの楽しみの一つでおま。

 リーチになると「頼んまっせ」とガラスを手の平でスリスリ。で次に止まるタイミング見計らって「ボコッ!」どつき倒す。かからへんかったら「もぉーっ」…。ガラスへの軽い猫パンチは忘れまへん。隣で打つ他人のリーチも気になるようで、身を乗り出してでものぞきこんできます。顔見知りにでもなると静かに打ってるワテの台を隣から「ボコッ!」と、どつきよる。

 ワテ、おばちゃんに「ハイテク相手にどついて止まるんやったらパチンコ屋みなつぶれまっせ」と忠告したります。ほなタバコの煙を鼻から出しながらこないな返事「テレビのリモコンいうこときくやろ?」と。

 最強“関西のおばちゃん”の特徴教えまひょ。

 ファッションではヒョウ柄をこよなく愛します。上級者になると、ドーンとヒョウの顔ですわ。

 アメを「アメちゃん」と呼び、カバンの中にいつも持ち歩く。そして誰かれなしに配る習性。

 食べ物・病院・店系はなぜか「○○さん」と呼ぶ。コープさん・八百屋さん・歯医者さん・眼医者さん・おイモさん・おあげさん・電気屋さん…挙げたらキリおまへん。

 口グセ的には「あ~しんど」「やらし~わ~」「なんぼしたん?」「帰ってへぇーこいて寝よ」。「シュッとした」は万能形でホメ言葉。シュッとした顔とかシュッとしたマンション、シュッとした車など。自分のことは「ウチはな~」。三人称は老若男女、地域、面識、職の有無を問わず「あの子はな~」。

 さらには、激安とかタダという言葉にめっちゃ弱い。デパートであろうととことん値切るのが礼儀。「なんぼしたんと思う?こんなんで買ってん」と安さがなぜか自慢。

 チャリに傘させる“さすべー”は必須アイテム。紫外線は天敵らしく、通販のサンバイザー、ひじあてなど全身完全武装。声やたらでかい。

 さんざんいらったけどね、困ってる人への察知能力は最強で「どないかしはりましたんか?」と積極的なお節介は特筆もんです。

 こんな“関西のおばちゃん”が競輪ファンにいっぱいおればな…。「もぉ~何してんのん。ウチ放っとかれへんわぁ~」と今、揺れ動く選手会問題も動かしよるやろな。ねぇねぇ~なんとかなりまへん?(元競輪選手)

 ◇齊藤 哲也(さいとう・てつや)1959年(昭34)4月生まれの55歳。元競輪選手(兵庫支部)。45期生の卒業チャンピオンとして80年にデビュー。S級で長く活躍し、03年7月引退(通算183勝、優勝25回)。本紙予想コラムでは高配的中数知れず。アナ車券の達人!!

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