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競輪選手は“福男”にはなれない!?

[ 2013年2月5日 06:00 ]

 えべっさん(西宮神社)今年の“十日戎開門神事福男選び”は、尼崎市の高校3年の男子が一番福になった。マスコミの影響で最近でこそ全国的に有名になったが、始まりはなんと江戸時代からである。

 正式名からすると男限定と思いきや、老若男女を問わず参加できる。しかしこれまでに“福マン”いや“福女”の記録がないのが不思議でたまらん。古い歴史の中、ありえへんハプニングが重なったとかで、一人ぐらい出現しててもよさそうなもんだろうよ。くノ一さん(女忍者)なにしてましたんやぁ~。

 距離はたった230メートルのコース。だが直線ではなく道中には3カ所のカーブがある。最難所はゴール直前の本殿に上がる木の坂。勢い殺さず大ドンデン返しのスッテンコロリンは茶の間の笑いを誘う(笑う門に~の意味合いならコノ人が真の福男かもね…)。軽いテクは必要だがやっぱりブッチギリの走力が一番の武器になる。これまでにもし陸上短距離の全日本クラスの女子選手が門の最前列におればホンマ夢でなかったということですよね。

 俺は西宮生まれの西宮育ち。ガキの頃からよく行ってたがこのレースに挑戦したことはない。当時は門の前に早く並んだもん順である。これに命賭けてはる人は1週間ぐらい前から陣取るのである。

 時代は変わりましたで。数年前に不正な出来事があって今は先着1500人の抽選になった(ちなみに今年は4500人集まった)。勝つためには、最低でも30番ぐらいまでのクジを引き当てるのが必須条件。この抽選こそが一番の強運を求められる。だからこそ必ずや近い将来、歴史的快挙の“福マン”いえ“福女”の誕生はある!

 『競輪選手なら福男になれるんちゃう?』と質問されたことがある。キッパリ断言する。それは絶対にない! えっ?と思うでしょうがほんまである。バリバリ陸上部出身の競輪選手はごまんとおる。自転車の練習ばっかりしてるツケですわ。まともに走れて50メートルぐらいかな。それ以上になると、だんだんと上半身がふんぞり返ってきて最後は脚がもつれて一人で勝手にコケる。ほんま面白いぐらい見事にコケてくれます。これは微妙に使う筋肉が違うからなんですね。だから歩くのだって苦手。ちょっと歩き回っただけで脚の変なところに身が入り奇妙な張り方をする。これって意外な事実でしょ!? 夜空見上げながらこの原稿を書いている。冬の満月はきれいだな。昔はなぜか元気が出たのに(あんたオオカミ男か)今はなぜか切なく物悲しい。年いったのかな…。毎年が勝負の俺。今年もよろしく!san

 ◇齋藤 哲也(さいとう・てつや)1959年(昭34)4月生まれの53歳。元競輪選手(兵庫支部)。45期生の卒業チャンピオンとして80年にデビュー。S級で長く活躍し、03年7月引退(通算183勝、優勝25回)。本紙予想コラムでは高配的中数知れず。アナ車券の達人!! 現在、兵庫県、サテライト阪神のアドバイザーとしても活躍。

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