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「ジャックナイフ」三宅勝彦

[ 2017年2月1日 05:30 ]

三宅勝彦氏(後列左)と楽しいひととき
Photo By スポニチ

 『すっぽん笹田伸二』『キックの鬼中川茂一』『ハイセイコー岩崎誠一』『ミスターケイリン中野浩一』『鬼脚井上茂徳』『ウルフ木村一利』『怪物滝澤正光』『闘将佐々木昭彦』…誰が言ったのか知らないけど、ざっと異名を持つ競輪選手を思い浮かべてみた。強さ、戦法、容姿などのいずれかが群を抜いて強烈でないとそう簡単に異名ってのは付きまへん。おっと1人忘れとった。ネタフリぼっけなげぇーのぉー(岡山弁)。ほな今回の主人公『ジャックナイフ三宅勝彦』を。

 先日、俺の兄弟子の塚本大ちゃんの鉄板焼き【咲輪】でメシを食った。会うのは去年の夏以来だが、今回はわざわざ岡山から大阪ビルボードにライブを見に来たらしい。「おージャック、下半身は?」「ペーパーナイフじゃ」。これが俺らのお決まりの挨拶である(笑い)。ちなみにジャックナイフの由来は、キレッキレの捲り追い込みでゴール前でごぼう抜きするから。昔で言うなら『ごんぼ安の安野茂雄』だな(古っ!)。

 54期No.1で地元玉野でデビュー。優勝34回のうちG3優勝は13回。広島ふるさとダービー初代チャンピオン。後に武雄ふるさとダービーも優勝。G1優参も常連だったが、その中で全日本選抜3着、競輪祭2着、グランプリ3着があるも不思議とタイトルには無縁であった。全盛期を過ぎてからは岡山支部長、晩年は日本競輪選手会の共済会常任理事に就任した。5年前に引退し現在51歳。

 勝彦とはひょんなことから付き合いが始まった。俺の愛車であったモンスターマシンのベティちゃんの2代目オーナーで大のアメ車党。パワーボート、ジェットスキーと、とにかくエンジン物には目がない。今はバイクに夢中で、ハーレーなど1800CCのバイクを2台所有し、暇さえあればツーリングに出掛ける。

 「おめー、ここは払っとけ」。後輩ではあるが仲が良かった年上の柳原茂巳(55期)とネオン街に繰り出すとこう言われ、2軒目では「ジャックナイフはさびたらいけまー」がお決まりパターン。「死ぬまでに一度は茂ちゃんにおごってもらう」。これが勝彦の至っての夢なんだとさ。おーいしげき聞いてるか?(笑い)

 ◆齊藤 哲也(さいとう・てつや)1959年(昭34)4月生まれの57歳。元競輪選手(兵庫支部)。45期生の卒業チャンピオンとして80年にデビュー。S級で活躍も40歳で悪性リンパ腫により、03年7月やむなく引退(優勝25回)。本紙予想コラムでは高配的中数知れず。アナ車券の達人!! 兵庫県、S阪神のアドバイザーとしても活躍。現在もガン闘病中のカリスマ的患者。

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