こんな人脈こんな話

個性があるから面白い 各競輪場の専属実況アナ

[ 2012年11月28日 06:00 ]

 レースを見ながら言葉で表情する仕事が実況アナウンサー。持ち回りもあるが各競輪場には専属実況アナがいる。食で例えるならレースが食材なら実況は味付けの役割。おっとその前に仕込みだな。これは各選手のデータ収集。さぁー、腕(声)によりをかけて作ろうか。甘口・辛口・濃口・薄口…皆さんの好みの味はなーに?耳に心地よいというのも舌と同様で千差万別。えっ?俺?すんまそん…ここまでネタふっといて意外と俺はクール。声から「この人の実像は?」と想像する程度なんですわ。もっと正直いうと、レースは自分の目で理解できるわけやからね、無声でも我慢しようと思えばできる。だけど夢精は我慢できへんで(なんのこっちゃ)。

 弥彦のHPに、実況アナの批判の書き込みがあると聞いた。そういうコメントは胸の内だけでお願いしますわ。あの独特のまったり感…俺は好きやな。それに村営競輪という風情にビンゴ。なにはともあれ、勝者に「やったぁ~おめでとぉ~」と伝わるところはほかより際立ってまっせ。

 ネット依存症が多くなってしもた現代社会。ここでしか物言えぬ人間…ほんまどうかしてるぜ!

 女性実況アナは今は小松島だけだが、昔は福井と富山も女性やった。小松島の茂村さんはキャッチフレーズ女王。「さぁーここは俺の庭、阿波の破壊王ロックオン、間髪いれずにロケットパンチ相成りますか。しかし瀬戸のプリンススクリューパンチ。いや後方からレーザービーム炸裂、シュアーいくぅーいくぅー」とモムラー節全開実況。あのキャッチフレーズは横断幕で面白いのがあれば拝借したりするとか。それよか手っ取り早く、選手自ら「俺は○○でお願い」とリクエスト募ったらどう?絶対ウケると思うわ。さすがベテランは、いつの間にか一語化された「間髪」を「かんぱつ」と言わへんとこやね。「間、髪をいれず」この何気ない濁点の一呼吸を強調すればモムラー節パワーアップ。あと、モムラーの人は知ってるよね?弾丸モードになった合間に、微かにもれる喘ぎ声に近い息つぎは…(笑)

 大垣の実況アナはこの前に俺の予想コラムで、上手やけどよく聞けば個性的と紹介した。前半の穏やかトーンからヒートアップしてくる様子がたまらなく面白い。最後は息つぎ忘れ、血管切れそうなぐらいの激アツ興奮。ゆえにカミカミ多いのもかわいい魅力。

 畑違いですけど断トツのオモロイ王は蒲郡競艇の高橋名物アナ。ほんまメッチャ笑えますから。あかん…また想像してしもた…どんな顔しとんやろって。

 ◇齋藤 哲也(さいとう・てつや)1959年(昭34)4月生まれの53歳。元競輪選手(兵庫支部)。45期生の卒業チャンピオンとして80年にデビュー。S級で長く活躍し、03年7月引退(通算183勝、優勝25回)。本紙予想コラムでは高配的中数知れず。アナ車券の達人!! 現在、兵庫県、サテライト阪神のアドバイザーとしても活躍。

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