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同期の山ちゃんよ、お疲れさんどした

[ 2010年7月30日 06:00 ]

 この6月、京都の山森雅晶(45期=京都・51歳)が引退をした。

 競輪学校91勝4位の成績を引っ提げデビュー。その後も順風満帆、出世街道まっしぐらで、すぐ特別競輪の常連となった。
 選手生活30年、積み重ねた勝ち星411勝の中で31回の優勝がある。その中には奈良記念と名古屋ダービーTRの殊勲の星が光り輝いている。「3日間でどれか1着取れよ!」「任せとけ!」と参加する前に電話で約束した地元向日町競輪場での山ちゃんのラストラン開催の成績は7着、3着でした。「感動の1着は最後の最後に取っておいてるわけか…」と最終日に俺は仕事を休んで駆け付けました。さすが人徳ある山ちゃんや。村上兄弟を筆頭に地元京都の選手が花束抱えてごった返してました。白の1番車のユニホームを着た山ちゃんが出走直前、控室に行く時に俺と目が合った。山ちゃんの目がみるみる真っ赤になった。「今日こそ頭取れ!」とハッパをかけるつもりが「無事に走りや…」と声を掛け、俺も涙をこらえた。
 ラストランは競り負けて4着。終わってから見ていた地元選手の誰かが「空気読まんかえ!」と発した声で大騒動となり後味の悪さが残った。だが当の山ちゃんは、すがすがしい目をしていた。
 おおかた誰かの引退レースでは空気を読む。でも情けをかけてもらうより堂々と最後まで戦ってくれた方が嬉しいはずである。一段落ついてから俺は「気を悪くさして悪かったな。あいつは喜んでるから」と山ちゃんを競り飛ばした選手に声を掛けた。そいつはキョトンとしている。とその時、ちょっと向こうに「俺がこんな事言われる筋合いねえー」と興奮が冷めやらぬ選手を見つけた。俺がキョトンとなった。それがすぐ俺の人違いの大ボケと判明したが、それからもう恥ずかしいやら面倒くさいやらでコレでヤメにした。
 引退セレモニーのマイクパフォーマンスは、俺らの予想を裏切って、泣かずに立派なあいさつをしてたな。
 山ちゃんと俺は同期で、競輪学校の試験の時からなぜかウマが合い、いまだにその熱い仲は続いている。
 山ちゃんは「何もええ仕事なかったら近所のスーパーでレジ打ちでもするわ」と言っていた。物静かで優しい男やけど、パチンコ屋で山ちゃんの両隣はいつも空席にさす恐ろしい外見。誰しもそんな列に並びたくないどすえ~。ほなえろうお疲れさんどした。

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