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2人のグランドスラマー 快感に酔いしれたひとときパート2

[ 2017年8月1日 05:30 ]

左からダンプ屋Kちゃん、ワテ、山本八郎、井上茂徳、滝澤正光、日競選の三浦氏
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 若い頃、関東の記念で鎖骨を折った。控室で哀れみと同情にまみれた視線だけが突き刺さる。敗北感てんこ盛りのさなか「哲也、よか競走したね〜」とニッコリ笑いながら肩をポン! それが鬼脚の異名を持つ井上茂徳氏であった。骨折もしてみるもんやな…それぐらい俺にとって、生涯忘れられない一言である。ただ、ポンと置かれた手が折れた鎖骨の方で「ギャォー」と必死で声を殺したことも忘れてないけどね…(笑い)。シゲさんは趣味の魚釣りを越え、有明漁連の準組合員で「競輪の仕事以外の時は自称漁業活動家」と言うてました。趣味は10人いるお孫さんとひたすら遊ぶこととか。

 怪物こと滝澤先生のマイクハナサーズにはぶったまげた。特に演歌が大好物である。自分の競輪人生とダブる歌詞が出てくると目を潤ませながら涙声になるのにもぶったまげまっせ。後日、怪物から「哲ちゃんありがとう。CDプレーヤーから煙り出るほど聞いてるよ。泣きながらね」と電話があった。

 【ランナーの靴音。BORO】赤茶けた思い出のアルバムに白黒の写真 ほこり舞うグランドの歓声が聞こえてくるようだ ジャングルジムの中で夢のかけら拾い 挫折という言葉すら知らない無邪気な笑顔が光る 静まりの夜が来ても眠れない自分がない 偽りの微笑みが歪んでる鏡の中で あの頃の笑顔に帰れたら 西陽の染まる壁に 自分の影を写しランナーは走り出す 立ち上がれ立ち上がれ立ち上がれ 自分を蹴り 悲しみも涙もない勝利など聞いたことがない。

 ご両人とも引退してから自転車に乗ってない。「その余力残ってたら引退しとらん!」とシゲさん。テーブルに頭ぶつけながらうなずくタッキー。深いですなあ〜。そうそう、タッキーの今の趣味はゴルフ。腕前?めちゃくちゃヘッポコらしい(笑い)。

 かなりおこがましいけどね、グランドスラマーの鬼と怪物と同じ時代に走ってた我が競輪人生……ちょびっとだけ誇らしげに思ってもかまへん?

 ◆齊藤 哲也(さいとう・てつや)1959年(昭34)4月生まれの58歳。元競輪選手(兵庫支部)。45期生の卒業チャンピオンとして80年にデビュー。S級で活躍も40歳で悪性リンパ腫により、03年7月やむなく引退(優勝25回)。本紙予想コラムでは高配的中数知れず。アナ車券の達人!! 兵庫県、S阪神のアドバイザーとしても活躍。現在もガン闘病中のカリスマ的患者。

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