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アイドルはやっぱアメ車っしょ

[ 2016年11月1日 05:30 ]

アイドルはやっぱアメ車っしょ

 「大人になったらコイツに乗る!」。オ○ニーを覚え始めた小学生高学年の頃《コルベット・スティングレイ》をTVのCMで初めて見たボクは、夢を追っかけるそれはそれは純真な少年だった。

 夢はすぐにかなった。希少な初代ベティちゃんは大阪の中古車屋で見っけた。直行でぶっ飛ばして行った先は師匠である坂東さんち。「ごっついな~こんなん初めて見たわ」「このV8のエンジン音もお聞きになれば思わずイッちゃいます」と助手席に乗ってもらってキーを回した。「カチカチ…あれ?…カ…チ…カ…チ…んなハズは…シーン」。いきなりのレッカー移動。師匠のつぶやきが聞こえた。「こんなん初めて見たわ…」。

 10日ほどしてベティちゃんの機嫌が直った日の翌日、あろうことか「これチョロQかよー」ぐらいのオカマを掘られた。ぶつけたドライバーは1センチぐらいだけ窓を開け「怒ってますよね?」とブルブル震えていた。奥さんとお子さん2人を見て「人身とかの輩(やから)言わへんから安心しー」と俺は引きつり笑い。「まいど~」。この前のレッカーのおっちゃんであった(笑い)。

 半年後、ベティちゃんはナイスバディーで戻ってきた。それからもアレやコレやと駄々こねよるも基本アメ車はこんなんしょ。

 ヤンキー兄ちゃん3人とモメてる真っ最中、A面の空白のカセットがB面にカチャ。大音響で流れた曲があの有名な渚のバルコニー事件。前奏が「タンタンタン」のみってどやねん(笑い)。

 そんなじゃじゃ馬娘でも嫌いにならへんで~と思ってた矢先、中国自動車道で突然火を吹いてベティちゃん炎上。断末魔の黒煙が虚空に消えていくのを見ながら最期のお別れ…天にめしますワ~レ~…アーメン!

 失恋すればまた次の恋するのが最善の特効薬。俺は三代目ベティちゃんをすぐ買った。でもこの娘は、あのジャックナイフこと三宅勝彦(岡山=54期)に一目ぼれされ手放しすぐ四代目ベティちゃんに乗った。それからはさまざまな国の車に浮気しまくったが、ヤンチャな俺のシフトレバーをくすぐるなんてったってアイドルはやっぱアメ車っしょ。イエ~イ!

 ◆齊藤 哲也(さいとう・てつや)1959年(昭34)4月生まれの57歳。元競輪選手(兵庫支部)。45期生の卒業チャンピオンとして80年にデビュー。S級で活躍も40歳で悪性リンパ腫により、03年7月やむなく引退(優勝25回)。本紙予想コラムでは高配的中数知れず。アナ車券の達人!! 兵庫県、S阪神のアドバイザーとしても活躍。現在もガン闘病中のカリスマ的患者。

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