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慶の魂が宿った男たちの戦いに涙

[ 2008年10月1日 06:00 ]

 オールスター競輪の初日に大変ショッキングな悲しい出来事があった。
 内田慶(栃木87期)が競走中に落車、そのまま帰らぬ人となった。弟弟子の中村一将が出走してたので家族らに「応援したれ」とテレビでライブ観戦(ちなみに齊藤家では、ゆかりの濃い選手が走る時は全員正座です)。一将は惜しい3着だった。内田は3角手前でポテンと落車していたが、いつも目にしてるごく当たり前の光景。テレビ画面は変わり、私らも足をくずしその場を離れた。明らかに異常な光景になってしまってる現場を知らずに…。
 私は、友人から電話で聞かされるも「そんなんあかんて…」と理解する気なかったが、パソコンのニュース&トピックスで初めてその事実を認めた。
 彼は超人的な持久力で、もっか4キロ個人追い抜き全プロチャンピオンである。私は今年、奈良であった全プロをナベピーこと渡辺孝夫と見に行った。到着した時、場内のファンにガッツポーズをしていたのが6年連続王座を守った内田であった。デビューして5年、顔も見た事もなけりゃー話もした事ない内田に「おめでと!これからも頑張ってや!」とナゼか声を掛けた。「ありがとうございます。先輩のことは聞いて知っています」と律義に笑顔で答えてくれた内田に対し素直に喜んだ(私の馴れ馴れしい性格はこんな時に得しまんねん)。
 参加中の選手はどんな辛さであったろうかと思うと想像を絶する。特に兄弟子の坂本英一、同県、同期…凄い精神力だ。700勝目を準決で勝ち、フレームに巻かれた喪章代わりの黒のテープを握り締めながら涙した神山の姿は忘れへんぞ。競輪は筋書きのないドラマだと言われるが今回、内田の魂が宿った神山が優勝するやろな…と私は信じていたのだが、優勝した伏見の「慶ありがとう!」のインタビューを聞いて「ウゥゥ…どいつもこいつも皆な男前やで。しかし」。
 死にそこないの私からしたら、これからの若い子が…と思うと「神様はなに見とんねん」自分の心臓をグニュとつかまれたような気分になる。これが宿命、そしてこれもまた是非に及ばずです…と、どこかの偉い坊さんに悟らされてもアホ抜かせですわ。あの奈良の時が最初で最後の会話やったけど、一回でもしゃべったら連れ気分になってしまう図々しい私、向こうに行ったらちゃんと友達なろうぜ!よろしくな慶!合唱!

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