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ノリは年中修学旅行…立派な大人になろうよ

[ 2015年3月1日 05:30 ]

 暦では立春が過ぎ、雪から雨に変わる雨水(うすい)という節気。まだまだ寒いけど、野山眺めれば春の兆しは『アッハ~ン』と感じますぅぅ。昔はテンションも上がるような気がして春をことさら待ち望んでたような気もしてたが、今は去ろうとしてる冬を惜しむ気持ちもある。日本の四季は美しい。ひとつの季節に命張ってはる人もおるわけで、太陽と月に感謝すると共に四季の全てを平等にと思う。はて、俺はいつの間に年くったのだろか?

 今月はもう日本選手権ダービーがある。つい最近『長期戦でも麻雀しとったらあっという間やろ?』『カラオケとかあるん?』てなこと質問された。俺、ラッスンゴレライ踊りましたがな『ちょと待てちょと待てお兄さん』て。ほな場内に潜入するよってに付いてきなはれ。

 レース前日、13時までに競輪場に集合。最初に携帯電話を預ける→出場の受け付け→自転車の検査→身体検査→軽めの練習→管理からの訓辞聞いてハイ終了。宿舎に入ると夕方まで寝る。マッサージ頼んでる選手は起こしに来てもらえる。部屋割りは同県・地域での4人部屋が今の主流。風呂、夕食は21時まで各県ごと自由。アルコール類は夕食時の食堂内のみ。昔は部屋での酒盛りは自由でおました。競艇界は禁酒。

 外部との接触は家族であろうと一切遮断。賭け事も禁止。公営ギャンブル界、公正かつ安全が鉄則!雑誌などは各人で数冊買ってくる。メーンはエロ本。“英雄色を好む”よくできたことわざと感心。食事は用意されたものがあるが、ツケで別注もたらふく食べれる。海の幸の豊富な函館とかだと、帰る際の精算時『ドッヒャ~』と毎回意識が遠のく。前検日の大浴場は、ほとんどの選手がT字カミソリで脚の毛をそってますわ。第三者がこの光景見ようもんなら『きっしょ~』。

 夕食後は各部屋一台のテレビがある奥座敷でお菓子食べながらの雑談タイム。政治経済や文学歴史の話などはけっして交わされることなく、いくらオッサンになろうとアホトークだけで盛り上がる。年がら年中、修学旅行のノリを引退するまでやってまんねん。そりゃ『競輪選手っていつまでも若いよね~』て言われるわいな。へへへ…って、いやあかんて。ほんまあかんて!一般社会で通じるような立派な大人になろうよ!

 ◆齊藤 哲也(さいとう・てつや)1959年(昭34)4月生まれの55歳。元競輪選手(兵庫支部)。45期生の卒業チャンピオンとして80年にデビュー。S級で活躍も40歳で悪性リンパ腫により、03年7月やむなく引退(優勝25回)。本紙予想コラムでは高配的中数知れず。アナ車券の達人!! 兵庫県、S阪神のアドバイザーとしても活躍。現在もガン闘病中のカリスマ的患者。

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