宅見将典氏がグラミー賞 「SAKURA」で日本人初快挙 西城秀樹さんのおいで作編曲家

[ 2023年2月7日 05:30 ]

グラミー賞の発表・授賞式で、最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞を受賞した宅見将典さん(右から2番目)=米ロサンゼルス(ロイター)

 米音楽界最高の栄誉、第65回グラミー賞の発表・授賞式が5日(日本時間6日)、ロサンゼルスで開かれ、作編曲家の宅見将典氏(44)=大阪市出身=のアルバム「SAKURA」が最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞を受賞した。宅見氏は、歌手の故西城秀樹さん(2018年死去、享年63)のおい。「自分を育ててくれた日本の音楽業界、また迎え入れてくれたアメリカの音楽業界に感謝したい」と喜びを語った。

 宅見氏は受賞スピーチで「何が起きたんだ?これはグラミー賞だ。何も言葉を用意していないので、ただ感謝を伝えたい」と興奮した表情。式後は「こんな名誉な賞をもらえると思っていなかったので人ごとのようだが、ゆっくりかみしめていこうと思っている」と語った。最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞は、西洋圏以外の古典音楽や英米を除く伝統的な民俗音楽など、世界の優れた作品に贈られる。日本人の受賞は初だ。

 「マサ・タクミ」名義で発表した受賞作「SAKURA」は、日本の伝統楽器の箏(そう)や三味線を中心に二胡なども取りいれ、米国流の現代的な編曲と組み合わせて桜の花の美しさやはかなさを表現した。

 宅見氏の音楽のルーツは、母の弟の西城さんだ。自身が生まれた時にはすでにスターだった叔父は、幼い頃からかわいがってくれた存在。中学生でドラムを始め、14歳で西城さんのコンサートに出演。宅見氏は、自身のブログで高校時代に初めて作曲した曲を西城さんに聴いてもらった時のエピソードを「とてもビックリしてうれしそうに褒めてくれて、それがとても自信になって、いろんな曲を作れるようになった」と振り返っている。

 20代からは、ギタリストとして西城さんのバンドに参加。日本のほか、米国、韓国、オーストラリア、ブラジルと回り、世界の音楽に触れた。西城さんが死去した際には「あなたの歌で育ち、あなたの音楽に魅了され、あなたのおかげで、僕はまだまだだけど、なんとか音楽家になれました」と思いをつづっていた。

 昨年10月、西城さんが生前レコーディングしていた宅見氏作曲の未発表曲「終わらない夜」を発売。宅見氏と西城さんの映像を融合させた「西城秀樹コンサート2022 THE50」も開催した。

 受賞の快挙は西城さんの家族にも伝わり、祝福を受けている。宅見氏は10日に帰国予定。世界で花を咲かせたおいに、西城さんは天国で“ヒデキ、感激”と目を細めているに違いない。

 ▼戸田恵子 マー君!おめでとう!快挙だよ!信じられない!私の知り合いにグラミー受賞者が居るなんて!ああ、秀樹さんに直に伝えたかったなぁ。きっと天国で喜んでると思うけど。そう思うと泣けてきちゃうよ。おめでとう!美味しいもの食べに行こう!

 ▼私立恵比寿中学 グラミー賞おめでとうございます。エビ中はポケモンエンディングの「手をつなごう」と「アンコールの恋」の作曲、編曲をしていただきました。今後とも歌わせていただきます!

 ◇宅見 将典(たくみ・まさのり)1978年(昭53)11月14日生まれ、大阪市出身の44歳。13歳の時にX JAPANのYOSHIKIに影響を受けバンドを組み作曲を始める。00年、ロックバンド「siren」でメジャーデビュー。作編曲家として国内外のアーティストに楽曲提供。13年には韓国女性グループ「KARA」の「サンキュー サマーラブ」がヒット。

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