寺島しのぶが守った家族の絆「父が与えてくれた道筋」 眞秀くん「初代尾上眞秀」を名乗り初舞台へ 

[ 2023年2月7日 16:17 ]

「團菊祭五月大歌舞伎」で初舞台を踏む初代尾上眞秀
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 「初代 尾上眞秀(まほろ)」を名乗り、5月の「團菊祭五月大歌舞伎」で初舞台を踏むことが発表された女優の寺島しのぶ(50)の長男、眞秀くん(10)。歌舞伎の会見としては初めてとなるフランス大使公邸で行われた会見に同席した寺島は「父が与えてくれた眞秀への一つの道筋と思って感謝しています」と感慨深げ。「私たちは歌舞伎役者じゃないが、父と弟のサポートで、先輩にぜひかわいがっていただけるよう人間力を兼ね備え、思い切り叱っていただいて、おもいきり教えてくださればステップアップすると思う。團菊祭でお客さんの笑った顔が見たいな」と母親としての愛情あふれる言葉であいさつした。

 眞秀くんは2017年5月に「寺嶋眞秀」として「団菊祭五月大歌舞伎」で初お目見えを果たしている。この時は酒屋の丁稚(でっち)を演じて、セリフをしっかり話すと、客席から割れんばかりの拍手を受けた。寺島は「感極まるとは思っていましたが、お客様の拍手を聞いて涙が出てきました」と感激していた。

 父は尾上菊五郎、母や富司純子、弟の尾上菊之助は音羽屋を継ぐために英才教育を受けていた。寺島は幼いころ、女の子は歌舞伎役者になれないのが分かり始めると徐々に歌舞伎の世界から遠ざかった。過去にスポニチのインタビューに「家族から離れた道からスタートしないと一生家族の中の、父と母の子供ということで終わってしまうと感じた」と振り返っている。そんな葛藤こそが女優・寺島しのぶを誕生させた。

 だからこそ、夫のフランス人ローラン・グナシアさんとは「眞秀が幸せと思える環境にいるのだったら全力でサポートしよう」と眞秀くんの自主性を重んじ、温かく見守ってきた。眞秀くんも将来の夢を聞かれると「仮面ライダー」「サッカーせんしゅになりたいです」など子供らしく無邪気に答えてきた。

 そして今回、迎える「初代尾上眞秀」としての初舞台。それは、家族3人が笑顔で選んだ道筋だったに違いない。

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