【女優助演賞】伊東蒼「つなぎ意識するように」新人賞から5年…撮影の合間に成長の証

[ 2023年1月19日 05:00 ]

2022年(第77回)毎日映画コンクール各賞決定 ( 2023年1月18日 )

新人賞受賞から5年、女優助演賞を受賞した伊東蒼 (撮影・光山 貴大)
Photo By スポニチ

 「島々清(かい)しゃ」で新人賞を贈られて5年、「さがす」の演技で伊東蒼(17)が実力者ひしめく部門を制した。

 「指名手配中の連続殺人犯見たんや」という言葉を残して失跡した父をさがす中学生の娘・楓。次第に見えてくる真実は残酷でさえあるが、小さな体で受け止めてみせた。

 撮影時は中学3年生。故郷の大阪が舞台とあって「関西弁のお芝居はやりやすかった」と話し、片山慎三監督の演出はユニークだったと明かす。「“逆立ちしてみて”“ぐるぐる回って”“手をかんで”など想像もできない指示が飛んできて、最初は違和感しかなかったけど、テイクを重ねるうちにどんどん自分の体に染みついてくる感じがありました」。

 その日あった撮影を台本に書き込み、「つなぎを意識するようになった」のも成長の証。父親役の佐藤二朗(53)については「テレビで見るまんまでした」と笑顔を見せたが、「進路の話なんかも聞いてくれて本当のお父ちゃんのように接してくれました」と感謝。「直前までゲームをしたり、周りの人を笑わせたりしているんですが、本番になった瞬間に“お父ちゃん”に切り替わる。尊敬するところです」と加えた。卓球場でラリーをしながら父と会話を交わすラストシーンは「涙が止まらなかった」と明かす。それだけ楓に入り込んでいた証だ。

 4月から高校3年生。「卒業後の進路は決めてませんが、お芝居はずっとやっていきたい」ときっぱり。新人、助演とくれば次は主演賞。そんな日も遠くない。 (佐藤 雅昭)

続きを表示

この記事のフォト

2023年1月19日のニュース