【男優助演賞】窪田正孝「心を健康に」 初めて触れた演出に新たな気づき「常に丸裸でいた方がウソがない」

[ 2023年1月19日 05:00 ]

2022年(第77回)毎日映画コンクール各賞決定 ( 2023年1月18日 )

「男優助演賞」に輝いた窪田正孝(撮影・会津 智海)
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 「ある男」でタイトルロールに命を吹き込み、作品に緊迫感をもたらした窪田正孝(34)が助演賞を射止めた。「純粋にうれしいです。役者をやらせてもらってて、みんなで頑張ったものへの評価になるし、人生においてこういう作品に出合えることって本当に数少ないと思う」

 芥川賞作家、平野啓一郎氏の小説を、「蜜蜂と遠雷」などの石川慶監督が映画化。事故で命を落とし、実は別人として生きていたことが露呈する「大祐」に同化してみせた。

 誰しも何かを隠して生きている。狂気みたいなものに包まれた空気感。「想像させる幅をこちらに委ねてくれる台本だったことに興味を引かれた。監督は言葉で説明せずに見えない気持ちだったり、見えない部分を見ようとしていた。だからテイクは重ねましたね」

 初めて触れた演出だった。「今のがOKじゃないなら、違う形を提示しなければならない。自分の中の感情、考え、そうしたものを全て吐き出していき、なくなった先のモノを監督は多分見ようとしたんだと今にして思う。持っているモノに固執するのではなく、どんどん引いていく。常に丸裸でいた方がウソがないんだなと思わせてくれました」

 硬軟問わない柔軟さが魅力。「私生活が大事だと思う。いろいろなことに興味を持ち、蓄えたものをお芝居の世界で表現する。心を健康にしておくことが一番です」と強調。「今年はヨガをやりたい。そこから瞑想(めいそう)に浸りたいと思います」と笑った。 (佐藤 雅昭)

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