鎌田靖氏「アベノミクスの終わりの始まりでは」日銀の“事実上の利上げ”黒田総裁の任期から推察

[ 2022年12月21日 12:46 ]

東京・赤坂のTBS社屋
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 ジャーナリストの鎌田靖氏が21日、コメンテーターを務めるTBS「ひるおび!」(月~金曜前10・25)に出演。日銀が20日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の修正を決め、長期金利が0・5%程度まで上昇することを容認したことに言及した。

 長期金利は、従来は0・25%程度だった。事実上の利上げだが、黒田東彦総裁は記者会見で「利上げではありません。景気には全くマイナスにはならないと思いますし、引き締めるつもりはありません」と悪影響を否定した。黒田氏は9月の会見で、長期金利の上限引き上げは利上げに当たるのかとの質問に「それはなると思う。明らかに金融緩和の効果を阻害するので考えていない」と明言したが、今回は「利上げではない」と説明を一変させ、市場機能の改善が狙いと強調した。しかし市場は利上げと受け止め、円高が進んだほか、長期金利が急上昇し、日経平均株価は大幅続落した。

 鎌田氏は「黒田日銀総裁の昨日の会見は“黒田ショック”とも言われていまして、株価が下がったり、円安から円高に急に変わったりとか今、混乱していますよね」と指摘。そのうえで、「これが実際の生活にどういう影響をもたらしていくのかっていうのは注目していきたいんですけど、先を見ると、黒田総裁は任期が来年の4月で終わりなんです。その前に体制が変わるでしょう。そうすると黒田さんがずっとやってきた、安倍さんが進めてきたアベノミクス、円安に誘導していってなるべく景気を、(前年比)2%(消費者)物価上昇を目指すっていう、このやり方を変えてくるんじゃないかと」と推察し、「つまり次の体制に向けて修正が図られていく。その始まりなんじゃないか。つまりアベノミクスの終わりの始まりなんじゃないかって見ているんです」と自身の見方を述べた。

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2022年12月21日のニュース