NHK総局長「鎌倉殿の13人」“三谷マジック”絶賛 配信好調「超優等生」来年「どうする家康」も期待

[ 2022年12月21日 15:20 ]

小栗旬が主演を務めた大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のメーンビジュアル(C)NHK
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 NHKの林理恵メディア総局長が21日、東京・渋谷の同局で定例会見を行い、今月18日に最終回を迎えた大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)を絶賛した。

 脚本・三谷幸喜氏と主演・小栗旬がタッグを組み、視聴者に驚きをもたらし続けた大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は大河出演8作目にして初主演に挑んだ。

 日本三大仇討ちの一つ「曽我兄弟の仇討ち」(曽我事件)は「敵討ちを装った謀反ではなく、謀反を装った敵討ち」など、歴史への深い造詣をベースに、三谷氏が史実と創作を鮮やかなまでに融合。“神回”“三谷マジック”“神がかる新解釈”の連発に、歴史ファンからも唸る声が相次いだ。

 源頼朝亡き後の苛烈なパワーゲームも、史実というネタバレがありながら予測不能の展開の連続。米の勘定が向いていたはずの伊豆の小豪族の次男坊から“漆黒の執権”への義時の変化を、小栗が見事に体現。巧みな演出や各キャストの熱演も相まって「大河最高傑作」の呼び声も高い。

 林氏は「私自身、ドキドキワクワクしながら毎週見ていた。日曜日は2回見ていた」と大ハマリ。キャッチコピーは“予測不能エンターテインメント”。「私はどちらかというとジェットコースターのイメージ。急上昇したり、急降下したり。史実があるので『次、来るぞ』というのが分かるのに、待っているのがジェットコースターに似ている。予想を超える驚きがあるエンターテインメント」と評した。

 配信全盛時代となり、ゴールデン帯(午後7~10時)の総世帯視聴率(HUT、関東地区)が前年から約5ポイントも急落したため、全48話の期間平均は12・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。前作「青天を衝け」(全41話)の14・1%を下回ったものの、特にNHKプラス・NHKオンデマンドによる視聴が急増した。

 林氏は「普段なかなか(大河ドラマを)ご覧いただけない方が見てくださった超優等生、貢献度大の番組。全国各地のイベントにも、たくさんの方にご応募いただき、ありがたい。三谷幸喜さん、キャストの皆さん、テーマ曲を書かれたエバン・コールさん、すべての皆さまに御礼を申し上げたい。そして何より1年間番組を楽しんで支えてくれた視聴者の皆さんに御礼を申し上げたい」と感謝した。

 来年の「どうする家康」(1月8日スタート、日曜後8・00)の主演・松本潤が「鎌倉殿」最終回にサプライズ登場。「家康が先んじて登場しました。家康フルスロットルで準備してくれているようです。松本さんが令和の時代にどういう家康を演じてくれるのか楽しみ。ご当地の愛知県や静岡県は放送前から盛り上がっていて、全国に広がってくれれば」と期待した。

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2022年12月21日のニュース