永瀬王座が王座戦第3局を制し4連覇へ王手 2時間近く残す快勝!4強証明へ「6度目の正直」にマジック1

[ 2022年9月27日 18:21 ]

豊島将之九段に勝利し、対戦成績を2勝1敗とリードした永瀬拓矢王座(日本将棋連盟提供)
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 永瀬拓矢王座(30)に豊島将之九段(32)が挑む第70期王座戦5番勝負第3局は27日、京都市「ウェスティン都ホテル京都」で指され、93手で永瀬が勝利した。終局は午後5時12分。持ち時間5時間から永瀬が1時間56分、豊島は43分残す、永瀬の快勝だった。5番勝負は永瀬の連勝で2勝1敗と、4連覇へ王手をかけた。

 戦型は第1局、第2局の千日手局、指し直し局に続く角換わり。その早繰り銀へ進み、お互い王が中住まいのまま戦いは始まった。

 開始1時間で71手は、同じ1時間で70手進んだ第2局の千日手局を上回るハイペース。そして72手目、角獲りに打たれた豊島の歩を放置し、歩で銀を取り込んだ判断が機敏だった。角銀交換は駒損だがその後、飛車交換の際に桂も奪って優勢に立った。

 「あまり囲い合う将棋ではなかった。全体的に判断が難しかった」。豊島が駒台に手をかざした終局後、対局を振り返る勝者の言葉は厳しかったが、持ち時間の4割近くを残す大差をつけた。

 永瀬に豊島、藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖を含む5冠=に渡辺明名人(38)=棋王との2冠=を加えた「4強」。一昨年夏、新型コロナウイルスの感染拡大による対局中断明けに、藤井が木村一基九段(49)から王位を奪って棋聖との2冠に就いて以降、この4人を中心にタイトル戦は争われてきた。ただ、永瀬は今回が11回目のタイトル戦出場だが、他3強とのタイトル戦を制したことがない。

 王座3期、叡王1期を誇るが王将戦では渡辺に、棋聖戦で藤井に、叡王戦で豊島に、棋王戦では2度渡辺に屈した。他3強との6度目のタイトル戦で、4強を名実ともに証明するあと1勝へ永瀬が王手をかけた。

 第4局は10月4日、神奈川県秦野市の「元湯陣屋」で指される。

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2022年9月27日のニュース