尾上松緑 講談名作を歌舞伎に 人間国宝・神田松鯉「夢のよう」

[ 2022年9月27日 05:30 ]

東京・高輪の泉岳寺で堀部安兵衛墓前で法要を行った(左から)神田伯山、神田松鯉、尾上松緑
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 歌舞伎俳優の尾上松緑(47)が26日、都内で「芸術祭十月大歌舞伎」(東京・歌舞伎座、10月4~27日)の取材会を行った。第1部「荒川十太夫」に出演。人間国宝で講談師の神田松鯉(79)の名作を新作歌舞伎化。取材会に先立ち、松緑と松鯉、その弟子の神田伯山(39)が、東京・高輪の泉岳寺で法要を行った。

 「赤穂事件」の外伝。かねて講談好きだった松緑が物語を聞き、強い意志で歌舞伎化を進めた。自身の発案で新作を作るのは今回が初となり「歌舞伎の約束ごとの中で上演できると思った。私のわがままを聞いてくださり関係者には感謝しかありません」と語った。松鯉は「自分のやった講談が歌舞伎化されるのは夢のよう。80歳まであと数日ですが、今までなかったような喜びを感じます」と笑みを浮かべた。

 公演に先立ち、28日には歌舞伎座で松鯉と伯山による講談会が行われる。同所で講談が上演されるのは97年ぶり。かつて歌舞伎俳優として活動した松鯉は「懐かしく、うれしく、感無量」。伯山も「歌舞伎座には魔物が棲んでいるかもしれないが、できる限りいつも通りの気持ちで臨みたい」と意気込んだ。

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2022年9月27日のニュース