【前回の鎌倉殿の13人】第32話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「善児の目にも涙」

[ 2022年8月28日 08:00 ]

イラストレーターの石井道子氏が描いたNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第32話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「善児の目にも涙」
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は28日、第33話が放送される。新進気鋭のイラストレーター・石井道子氏が描く“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)とともに前回の第32話(8月21日)を振り返る。

 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。鎌倉を舞台に、御家人たちが激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 第32話は「災いの種」。奇跡的に息を吹き返した2代鎌倉殿・源頼家(金子大地)。頼家危篤の報が届いた後鳥羽上皇(尾上松也)は、ある考えを巡らす。政子(小池栄子)のもとには北条義時(小栗)らが集まり、新たな体制について話し合い。そんな中、比奈(堀田真由)は1人、思いにふける。先を見据えるりく(宮沢りえ)は夫・北条時政(坂東彌十郎)に京との関係をより深めるよう説き、愛息・政範(中川翼)も胸が躍る。そして、三浦義村(山本耕史)は…という展開。

 北条泰時(坂口健太郎)は比企能員(佐藤二朗)らと一緒に討つはずだった頼家の長男・一幡(相澤壮太)を匿っていると義時に報告。義時は善児(梶原善)の小屋に向かった。

 一幡はトウ(山本千尋)と玉入れ遊び。そして、善児が作った“ブランコ”に乗り「もっと」。善児はブランコに勢いをつける。

 義時「おまえが作ったのか」

 善児「へぇ。(トウに一幡を)頼む」

 (小屋の中)

 義時「あれは生きていてはいけない命だ」

 善児「できねぇ(首を横に振る)」

 義時「千鶴丸と何が違う」

 善児「わしを、好いてくれている」

 義時「似合わないことを申すな」

 善児は意を決したのか、刀を抜き、外へ。しかし、ブランコに乗って手を振る一幡を前に、涙。躊躇していると、義時が歩み出て、刀を抜こうとする。“異変”を察知したトウが一幡と義時の間に入り「一幡様、トウと水遊びいたしましょう」と一幡の手を引いて連れ出した。一幡は善児を横切った後、トウに「善児、なんで泣いてたの」。善児はブランコの縄を切り、小屋へ戻った。義時は地面に放り出されたブランコに目をやった。

 今回の“大河絵”は人の心が宿り、涙した仕事人・善児を中心に、苛烈なまでの運命に泣き崩れた頼家、頼家と時政の板挟みの末に自害した仁田忠常(ティモンディ高岸宏行)、自ら離縁を申し出、涙した義時の正室・比奈、頼家の次男“運命の子”善哉(長尾翼)に「北条を許してはなりませぬ」と呪いをかけた比企尼(草笛光子)を1枚にまとめた。

 ◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画、ウェブマガジン表紙などを手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2021 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2021 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。ライブペインティングや即興似顔絵も各地で行う。

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