囲碁の世界最年少棋士誕生 9歳4カ月、大阪市の藤田怜央新初段 将来の目標は「世界一」

[ 2022年8月17日 17:13 ]

入段会見に臨んだ藤田怜央新初段
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 囲碁の関西棋院は17日、小学3年生の藤田怜央くん(9)が9歳4カ月でプロ棋士の初段になると発表した。9月1日付のプロ入りは、2019年に日本棋院の英才特別採用で棋士になった仲邑菫二段(13)の10歳0カ月を更新するばかりか世界最年少記録となる。

 関西棋院によると、囲碁の先進国・地域の中国、韓国、台湾を含めても最年少。中国の常昊(ジョウコウ)九段(45)、韓国のチョウ薫鉉(チョフンヒョン)九段(59)の9歳7カ月を抜く。藤田くんは日本棋院とは別団体の関西棋院が今年、新たに設けた英才特別採用試験を受験し、初の合格者となった。

 「頑張ります」。1メートル30、28キロの藤田くんは着席したイスに座布団3枚重ねで質疑に応じ、プロ入りの意気込みを問われると一言、そう絞り出した。藤田くんは対戦したい棋士に井山裕太4冠(33)を挙げ、将来の目標を「世界一」とした。

 藤田くんは大阪市出身。4歳を過ぎた頃からトランプやオセロに熱中し、理学療法士の父・陽彦さん(41)らが相手をしきれなくなったため勤務先近くの囲碁サロンへ連れて行った。小学1年からは日本棋院でプロ候補生の「院生」となって腕を磨いた。

 1歳で兄・夏輝さん(12)がそらんじる大阪市営地下鉄・御堂筋線や谷町線の全駅名、4歳で47都道府県を面積の大きい順に暗記したという。

 採用試験で試験碁を担当した瀬戸大樹八段(38)は「振り返ると、60手目まで互角。その後、(瀬戸が)優勢になってからまた引き戻された。見たことのない才能」と称え、井山や仲邑との同年齢における比較について「完成度の高さでは同じくらい」と絶賛した。なお、デビュー戦は9月後半になる予定。

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