住田裕子弁護士 東京五輪組織委元理事の逮捕で東京地検の本気度推察「本気度、覚悟も感じる」

[ 2022年8月17日 16:54 ]

東京・台場のフジテレビ社屋
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 元東京地検検事で弁護士の住田裕子氏が17日、フジテレビ系「Live News イット!」(月~金曜後3・45)にコメンテーターとして生出演し、受託収賄の疑いで東京五輪・パラリンピック大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)が東京地検特捜部に逮捕された事件について解説した。

 高橋容疑者は、「みなし公務員」と規定されている役員の立場でありながら、大会スポンサーだった紳士服大手AOKIホールディングス(HD)から違法に金品を受領した疑いが持たれている。特捜部は贈賄の疑いで、AOKIHD前会長の青木拡憲容疑者(83)ら3人も逮捕した。

 キャスターのフリーアナウンサー加藤綾子から「特捜部は逮捕するつもりで動いていたということなんでしょうか?」と問われると、住田氏は「そうですね」と回答した。さらに「今回、東京地検の次席検事は、特捜部長を経験した上でのゴーンさんをやったという、すっごい豪腕といえば豪腕の方で、果敢に攻めますから」と解説。検察側の陣容に触れつつ、金融商品取引法違反罪などで逮捕・起訴され、レバノンに逃亡した元日産自動車会長カルロス・ゴーン被告の例を挙げた。

 特捜部は先月、高橋容疑者の自宅など関係先を家宅捜索した。住田氏は「先般の家宅捜索で押収した物件、物証をいろいろと調べ尽くした上で、それまでにも先行して関係者の供述をしらみつぶしにやっていますから、そこらへんを含めて今回やった(逮捕した)と」と推測した。

 高橋容疑者は元電通の専務。数々のスポーツイベントに携わるなど、スポーツビジネスに食い込んでおり、東京五輪の招致にも関わったとされている。住田氏は「まず職務権限では、彼は単なるいち理事ではなく、スポーツ界のドンですから、ものすごい人脈と発言力、権限があったんですね」と、高橋容疑者の影響力を指摘。「それに対して、贈賄側がいろいろなお願いをした。そういう意味でいくと、(AOKIHD側が)どういう有利な取り扱い、取り計らいをお願いしたかというのが、これから細かい供述について詮索されていくことになる」と、今後の取り調べの行方も占った。

 スポーツビジネスの暗部にメスを入れる、今回の逮捕劇。住田氏は「東京地検がここで記者レクをするというのが、事件の重大性ととも、本気度、覚悟も感じます」と印象を語った。

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2022年8月17日のニュース