笑福亭仁鶴さん一周忌追善落語会 筆頭弟子・仁智と吉本・大崎会長が笑い満載の掛け合い

[ 2022年8月17日 21:00 ]

「笑福亭仁鶴一周忌追善落語会」で仁鶴さんの思い出話を披露する吉本興業・大崎洋会長(左)と仁鶴さんの筆頭弟子・笑福亭仁智
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 昨年8月17日に84歳で亡くなった上方落語家・笑福亭仁鶴さん(本名・岡本武士)の一周忌追善落語会が命日である17日、なんばグランド花月(NGK)で開かれ、800人のファン、関係者が故人を懐かしんだ。

 「骨髄異形成症候群」のため、大阪・豊中市内の自宅で死去してちょうど1年。公演の冒頭、筆頭弟子で上方落語協会会長を務める笑福亭仁智(69)と、この公演の発起人である吉本興業・大崎洋会長(69)が舞台上でまるで漫才のように笑い満載のあいさつを展開した。

 元々、故人の遺志、仁鶴さんの遺族らの意向でお別れ会や、偲ぶ会などの開催が見送られていたが、大崎会長の鶴の一声で開催決定。「先輩社員から、仁鶴さんは吉本の中興の祖。覚えときや」と吉本の屋台骨を背負った故人への最大の餞を用意した。仁鶴さんが独演会で使っていた高価な舞台セットを再現し、さらに観客は全員無料で特別招待。大崎会長は「来年は有料で」と大阪商人の魂を見せてまた、笑いを誘った。

 78年、大崎会長は吉本に入社して最初に担当したのが仁鶴さんのマネージャー。中学生当時は、ラジオ大阪の「オーサカオールナイト 夜明けまでご一緒に」のリスナーで「ハガキを2回、読んでもらった」と自慢話も。だが、就職して憧れの人と一緒に新幹線で横並びで座り、食事をともにする現実がなかなか受け入れられなかったそうだ。弟子の仁智も「初めて会った時、わあ、全国区の人気者や。きつねうどん食べてる、と思った」と納得顔で笑わせた。

 旧NGKで、立ち見が出て、舞台ソデに子供を座らせて公演した語り草もある人気者の仁鶴さん。その仁鶴さんの発した言葉が、今も大崎会長の心に残っている。「笑いというのはな、大崎君。愛がベースにないと成立せえへんで」と。「それは吉本の伝統として続いている」と、いつも頭に浮かんでくるそうだ。

 仁智も思い出話を披露。「去年の8月17日に突然亡くなった。6代目松鶴師匠の誕生日でした。因縁というか、つながりというか。きょうは師匠らしく、穏やかで、和やかで、派手さすぎず、賑やかな会にしたい」とあいさつを締めくくった。

 この日は仁智を筆頭に仁鶴さんの弟子6人と孫弟子6人が出演。大師匠の思い出話に花を咲かせた。また、仁嬌(64)は「初天神」、仁福(72)は「七度狐」、仁智が「スタディベースボ―ル」を披露した。

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