人道回廊めぐるロシアとウクライナの食い違い 専門家が分析「人民として扱わないという態度なのかと」

[ 2022年4月21日 19:20 ]

東京・赤坂のTBS社屋
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 ロシア政治に詳しい慶大の廣瀬陽子教授が21日、TBS系「Nスタ」(月~金曜後3・49)にリモートで生出演し、人道回廊をめぐるロシア、ウクライナ側の主張の食い違いについてコメントした。

 ウクライナ南東部マリウポリには、現在も市民10万人が取り残されているとみられており、安全に避難させるための人道回廊は機能していない状況になっている。ウクライナ側が避難中の停戦を要求。一方、ロシア国防省はウクライナ側に自主的な投降を呼びかけたものの、「誰もこの回廊を利用していないと指摘せざるを得ない」と主張している。

 井上貴博アナウンサーが「プーチン大統領としては、民間人に手を出したくないという思いは本音としてあるのか、人道回廊の設置というのはただの国際社会へのポーズでしかないのか、どうご覧になっていますか?」と尋ねると、廣瀬氏は「おそらくなんですけど、人民を救うという気持ちはないと思います」と推測。「国際的な批判をなるべく受けないために、人道回廊ということには応じる姿勢を見せつつ、しかし実態としてはそれを用意しないというところで、結局のところ何とも思っていないというところに行き着くと思います」と分析した。

 井上アナから「“兄弟”とまで言っていたウクライナ人を何とも思っていないと」と問われると、廣瀬氏は「今回においては(プーチン大統領が)『ウクライナ人がナチスである』ということを最初から言っております」と指摘。「一般のウクライナ人についても“ナチス”が設定した人間の盾という建て付けをしていますから、ナチスの人間の盾であれば人民として扱わないという態度なのかと思います」と解説した。

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2022年4月21日のニュース