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渡辺王将 藤井竜王の“奇襲”8六歩にうめいた、ファンはうなった 王将戦7番勝負開幕

[ 2022年1月10日 05:30 ]

第71期ALSOK杯王将戦7番勝負第1局第1日 ( 2022年1月9日    静岡県掛川市・掛川城二の丸茶室 )

ライトアップされた掛川城の下で対局する渡辺王将(右)と藤井竜王
Photo By スポニチ

 渡辺明王将(37)=名人、棋王含め3冠=に藤井聡太竜王(19)=王位、叡王、棋聖含む4冠=が挑む“令和の頂上決戦”7番勝負が9日、開幕した。史上初となる「3冠VS4冠対決」の盤上に、集まった棋士、将棋関係者、将棋ファンが注目。そんな中で藤井が放った“不気味な一手”が、熱狂ぶりをさらに加速させた。午後6時5分に47手目を藤井が封じて指し掛け。第2日は10日、午前9時に再開する。

 藤井の投じた一石が大きな波紋となり、見る人全てを惑わせた。昼食休憩間近、午後0時24分。41手目に着手した▲8六歩に対し、渡辺は91分の長考に沈む。検討室で対局を見守っていた副立会の神谷広志八段(60)は「なんだこれは!えー、うそでしょ!」と目を丸く見開いて驚き、18世名人資格保持者で立会人の森内俊之九段(51)も「何が起きたか分からないぐらいの衝撃。初心者が指したら“何だ、この手は”と怒られそう」と驚きを隠さなかった。

 午後2時から対局場にほど近い大日本報徳社の講堂で始まった大盤解説会でも、この一手で終始話題が持ちきり。会場を訪れた愛知県在住の40代男性は「藤井竜王らしい一手が見られて、興奮しています」と声を弾ませ、勝負の行方を追った。

 令和の頂上決戦を前に、ファンの間では昨年から静かな炎が燃え上がっていた。11月27日から12月24日まで募集が行われた大盤解説会には応募が殺到。第1日の部だけでも定員80人に対し385人。倍率は4倍を超えた。

 リモートで進行する別会場の掛川グランドホテルでも、定員150人に対し176人がエントリーした。きょう第2日の解説会には、さらに申し込みが集中。定員は変わらないが、大日本報徳社に633人、掛川グランドホテルには242人。世紀の1勝目が目撃できる会場のボルテージは“限界突破”しそうだ。

 天下分け目の大勝負初戦に加え、劇的な幕開けとなった第1日。来場した東京都在住の50代女性は「渡辺先生の大ファン。この世紀の一戦に立ち会えて感動です」と熱視線を送る。愛知県の50代夫婦は「ここに来られた上に、応援している藤井先生の色紙も抽選で当たった。一生分の運を使い果たしちゃったかも」と大喜びだった。

 藤井の一手にうめき声を上げる場面もあった渡辺は「考えだしたらきりがなくなった」と振り返りつつ「封じ手次第」と2日目を見据えた。一方、公式戦は昨年12月2日の順位戦以来の藤井は「緊張感がありました」と、初の王将戦について語った。両雄が残したスリリングな感想。それは全国の将棋を愛する人たちにとっても同じで、忘れられない“熱い一日”となった。(小田切 葉月)

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