宮本茉由 「ドクターX」でベストアンサーの「てへ」 女優としての成長のあかし

[ 2021年11月18日 08:10 ]

「てへ」のポーズで笑顔を見せる宮本茉由
Photo By スポニチ

 【牧 元一の孤人焦点】女優の宮本茉由(26)がテレビ朝日のドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(木曜後9・00)で、はつらつとした芝居を見せている。

 「東帝大学病院」の外科に籍を置く初期研修医・虻川リサ役。主人公のフリーランス外科医・大門美知子役の女優・米倉涼子(46)とは、女優デビュー作のドラマ「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」以来、3年ぶりの共演となった。

 宮本は「緊張して撮影初日を迎えましたが、米倉さんが『久しぶり』と話しかけてくださったので緊張がほぐれました。『手術』と言うシーンで、撮影中に何回も『手術』と言っているうちに途中でなぜか『シュジュチュ』になって『手術』と言えなくなってしまったことがありました。その時、何も言われないと余計に焦るところを、米倉さんは『うん?何言ってんの!?』と面白がって緊張をほぐしてくださったんです。気さくで優しい方です」と話す。

 宮本は女優デビューよりモデルデビューの方が先。以前は「モデルはホーム、女優は戦(いくさ)に行く感じ」と話していたが、この「ドクターX」でホーム感が強まった。

 「私たち研修医3人があたふたするシーンを撮影した時、ぎこちない動きをする私に、勝村政信さん(外科副部長・加地秀樹役)がアドバイスしてくださって、何回も練習に付き合ってくださったんです。アドバイスすればできるだろうと思ってくださった気持ちに応えなきゃと必死でした」

 ベテラン俳優が集う撮影では台本に書かれていないセリフが飛び交うこともある。11日放送の第5話で、リサが「てへ」とぶりっ子のようなしぐさを見せるシーンも、現場で急に求められたものだった。

 「監督さんから『セリフを言い終わった後、てへ、とか言ってみれば!?』と言われたんです。それで、手の動きを入れて『てへ』と言いました。監督さんはその場では『手の動きを入れろ、とは言っていない』とおっしゃっていましたが、気に入ってくださったようで、その場面を予告編と本編で使ってくださいました。実は、やる前に、『てへ』と言うだけのパターン、手の動きを入れるパターン、舌を出すパターンを考えたんです。私のベストアンサーは3つくらいしかないのですが、いちばん良いと思うものを渾身の力で演じました」

 アドリブの成果は、女優デビューから3年を経ての成長のあかし。目標にしている「カメレオンみたいに変われる女優」への道も着実に歩んでいる。

 「最初にスピンオフドラマを撮影した時、同じ研修医役の一ノ瀬颯さん、上川周作さんと3人が『大学時代から仲が良く、切磋琢磨して研修医になった』という設定だったので私は早く仲良くなりたくて、お二人に『趣味は何ですか?』などとプライベートの質問をたくさんしてしまいました。『え、趣味ですか?』と不思議がられたりもしましたが、お二人とも役に入り込んでいたので、私もすぐに溶け込むことができました。カメレオンに近づけていたら、うれしいです」とほほえんだ。

 ◇宮本茉由(みやもと・まゆ)1995年(平7)5月9日生まれ、秋田県出身の26歳。2016年に「第1回ミス美しい20代コンテスト」で審査員特別賞を受賞。17年から女性ファッション誌「CanCam」専属モデル。女優として19年のドラマ「監察医 朝顔」、今年7月からのドラマ「ボイス2 110緊急指令室」などに出演。来年公開予定の映画「鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽」に主演する。オスカープロモーション所属。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

続きを表示

2021年11月18日のニュース