ソフトB・川村 大卒育成2年目の成長株 1軍経験で「貫禄がありました」小久保監督もうなる

[ 2023年4月4日 07:10 ]

ソフトバンク・川村友斗
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 1軍を体験した“貫禄”を2軍で生かす――。毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届けする「筑後鷹」。第22回はオープン戦で1軍に抜てきされ、強打をアピールした川村友斗外野手(23)。12試合に出場し打率・357、2打点。ペイペイドームでの初本塁打も刻んだ。小久保2軍監督との再会時に「貫禄がありました」と言葉をもらった大卒育成2年目が、念願の支配下登録へ再スタートを切る。

 大卒育成2年目・川村の1軍体験記は濃いものになった。3月5日のオープン戦(対広島)から当初は「経験」が目的だったが、その試合で途中出場ながら2打席連続安打で鮮烈デビューし、24日の広島戦までペイペイドームのベンチにいた。藤本監督は後ろ髪を引かれる思いだった。

 「戦力と考えていたが終わりとなった」

 開幕前の支配下登録は見送られたが、オープン戦12試合に出場。打率・357、2打点で9日のヤクルト戦では1軍初アーチを右翼席へと放り込んだ。

 「声援の中でやったことがなかったので、一層、大観衆でやりたいと思いました。教えていただいている小久保監督のおかげですね」

 憧れのペイペイドームでの初アーチ。すぐさま小久保監督に電話し「上(1軍)で打てました!」と感謝を伝えた。打席を増やすために17日には1、2軍の“親子ゲーム”も体験し、ウエスタン・リーグ開幕戦(対中日)では1本塁打を含む2安打。小久保監督も成長にうなった。

 「貫禄がありました。誰か外野手を(1軍に)と言われて推薦したけど、あれだけ打つとは。守備と足もある。すぐ(支配下)というのはないでしょうけど、勝負できるものをつかみつつある」

 川村は北海道の最南端にある松前町出身。そう「松前漬」で有名なあの港町だ。道内でもっとも平均気温が高く、温暖な土地で育った男は2軍監督にそのキャラも気に入られ「“ザ・いい人”です。人をかき分けても1軍に、というのがあまりない。今回(の1軍経験)で欲が出てくれば」と期待される。

 仙台大の先輩である大関は開幕投手の大役を務めた。オリックスの宇田川は侍ジャパンの一員として、世界一に。「仙台大出身の育成選手」はまさにトレンドだ。主戦場が再び、2軍に戻った川村だが、心境には少し変化が出てきたようだ。

 「積極的に振って、いい結果を維持できるように。ペイペイドームでやれたけど、まずは2桁(背番号)になってレギュラーシーズンに出たい」。そう、欲が出てきたのだ。(井上 満夫)

 ◇川村 友斗(かわむら・ゆうと)1999年(平11)8月13日生まれ、北海道出身の23歳。松前町立松城小2年で野球を始める。松前中から北海高に進み、1年秋にベンチ入り。2年夏に甲子園準優勝。2試合連続本塁打も記録した。仙台大では1年春からベンチ入りし2年秋に打率、打点、3年秋は本塁打と打点のリーグ2冠。21年育成ドラフト2位で入団。卓球観戦が趣味。背番号は132。1メートル81、88キロ、右投げ左打ち。

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