東都2部 東洋大のドラフト1位候補・細野が10回1失点完投 12球団29人のスカウトが視察する前で 

[ 2023年4月4日 16:46 ]

東都大学野球2部   東洋大4―1東農大 ( 2023年4月4日    上尾 )

<東農大・東洋大>桜をバックい力投する東洋大・細野(撮影・木村 揚輔)
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 東洋大の細野晴希投手(4年=東亜学園)が2部開幕戦から快投を演じた。タイブレークの10回を含め、7安打1失点、12奪三振の完投勝利。スタンドには12球団計29人のスカウトが居並ぶ中、今秋ドラフト1位候補左腕が底力を見せつけた。

 エースらしく最後までマウンドを守り抜いた。熱投154球。ナインとグラブでハイタッチを交わすと「いつもと変わらず投げられた。7、8回はきつかったけど9、10回は吹っ切れて投げられました」と笑った。

 脱力フォームで進化を遂げた。昨季までの力んで四球を連発し、自滅するパターンは皆無。力まず投げ込んだ直球は最速151キロも計測した。

 転機は先月21日、東都1部・亜大とのオープン戦だった。思い切り投げ込む直球をことごとくファウルされ、疲労だけが募った。だが軽く投げた1球でも打者を差し込ませることが分かった。この日も勝負所の9回1死二塁から連続三振。最後までバテなかった。

 巨人は5人のスカウトを送り込んだ。柏田貴史スカウト部主任は「力感なく真っすぐを投げられていた。去年より一皮も二皮もむけた」と絶賛。楽天の部坂俊之スカウトも「リラックスしたフォームからピュッと投げるから打者は打てない」と評した。

 最速155キロ左腕は今年1月に就任した井上大監督(49)に公式戦初勝利をプレゼント。「イメージは5―0の完封勝利だったけど…。きょうの試合を投げきったことでもっと成長するでしょう」。喜色満面の指揮官の横で、細野は力強くうなずいた。
 

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2023年4月4日のニュース