森繁和氏　メッツ・千賀は変幻自在3種類の「ゴースト」で2桁勝てる

ナ・リーグ   メッツ5－1マーリンズ （ 2023年4月2日    マイアミ ）

＜マーリンズ・メッツ＞メジャー初先発で6回途中1失点で初勝利を挙げた千賀（撮影・光山　貴大）
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　【森繁和　視点】メッツ・千賀の「ゴーストフォーク」は少なくとも3種類あり、威力を発揮した。相手の左右で投げ分ける。右打者には外角にスライダーのような軌道を描く。3回のソレアからの奪三振がそうだ。

　一方で左打者には、シュート回転しながら外角に逃げる。4回のJ・サンチェス、6回のチザムから奪った三振がそう。いずれも内角に甘く抜けた場合の長打を警戒してのもの。おそらくボールの握りで人さし指、中指を縫い目にかけるかどうかで調整しているのだと思う。その2種類に加えてカウントを取りにいく球速のやや速いフォーク。お化けは変幻自在といっていい。

　威力満点の決め球を見せたことで今後、相手打者は追い込まれる前の早いカウントから打ってくるだろう。千賀にとっては球数を減らせるし、直球でファウルを奪うなどすれば早い段階で追い込むことも可能に。3回のソレア、チザムはいずれも3球三振。これが必勝のパターンだ。

　緊張の見えた立ち上がりを1点に抑えたことが大きかったし、今後は落ち着いて投球できるだろう。2桁勝利は十分にいけると思う。（スポニチ本紙評論家）