ENEOSが9年ぶり12度目の優勝、最多記録更新 都市対抗決勝 逆転で東京ガスの連覇阻止

[ 2022年7月29日 21:06 ]

第93回都市対抗野球大会決勝   ENEOS5─4東京ガス ( 2022年7月29日    東京D )

<東京ガス・ENEOS>優勝し歓喜のENEOSナイン(撮影・木村 揚輔)
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 第93回都市対抗野球大会の決勝が29日、東京ドームで行われ、ENEOS(横浜市)が東京ガス(東京都)を5─4で下し、13年以来(当時JX─ENEOS)、最多記録を更新する9年ぶり12度目の優勝を飾った。

 5回までに4点をリードされる苦しい展開だったが、6回1死二、三塁から度会の右越え3ラン、丸山の右越えソロの連続本塁打、2死後に小豆沢の右越えソロで一挙5点を挙げ逆転した。

 投げては5回途中から3番手の長島、8回は4番手の本間、9回は5番手の柏原が無失点でつなぎ、リードを守り切った。

 東京ガスは5回までに橘の3ランなどで優位に立ったが先発・益田と臼井が6回に3本塁打を浴び、その後の反撃も実らず史上6チーム目の連覇を逃した。

 名門ENEOSを大久保監督がV字回復で立て直した。とはいえ16~19年と4年連続予選敗退のチームを立て直す第1歩は「早寝早起き朝ごはん」から始まった。

 グラウンドに目的意識もなく集合する選手を見て、高校生ばりに雷を落とした。「勝ててないのに私生活どうなの?とね」。19年末の古巣復帰が新型コロナウイルス流行による自粛時期と重なる幸運も手伝った。「今までなら飲みに行ったりゴルフしたり各々余暇を楽しんでた。それがトレーニングルームにいる時間が長くなった」。自覚が芽生えた証拠だった。あとは決勝まで5試合を戦い抜く精神力づくり。一昨年は2回戦、昨年は準々決勝敗退も今春のJABA長野大会で5日間5試合を戦い抜き、本番への準備が整った。

 「東京ガスは今の社会人球界で横綱。うちは前頭3枚目くらい。でも前頭でも優勝することある」。番狂わせとは思えなかった。最多記録を更新する12度目の頂点。名門が鮮やかに復活した。

 ▼ENEOS・大久保監督 こんなことがあっていいのかなと。ミラクルを起こしてくれました。(4点差から)1人出れば2人出れば、つながっていけば何とかなると予選の時からそういう雰囲気はありました。ミラクルがどこから来るか説明は難しいですが、決勝戦の不敗神話、先輩たちが築いてくれたそこに乗っかったとしか考えられません。補強選手の長島君、本間君が一番厳しいところを頑張ってくれて、(野手の)武田君も活躍をしてくれて神奈川の意地とプライドを見せてくれた。

 ▽ENEOS 1888年(明21)5月、設立。社員数は9348人(21年4月1日現在)。資本金300億円。石油製品の精製、販売など。本社は東京都千代田区大手町1の1の2。斉藤猛社長。野球部は1950年創部。都市対抗は3年連続52度目の出場。主なOBは元巨人の藤田元司氏(故人)、田沢純一(メキシコリーグ)、塩見泰隆(ヤクルト)ら。

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