九国大付、選抜8強の底力で夏切符 「神のような存在」のエース香西“代役”2年生・池田が3安打完封

[ 2022年7月29日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権福岡大会決勝   九州国際大付1-0筑陽学園 ( 2022年7月28日    北九州市民 )

<九州国際大付・筑陽学園>甲子園出場を決め、ガッツポーズで喜ぶ九州国際大付・池田(撮影・柴田 春男)
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 第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から17日間、甲子園)の出場を懸けた地方大会は28日、各地で行われた。福岡大会決勝では九州国際大付が筑陽学園に1―0で勝ち、6年ぶり8度目の夏の甲子園出場を決めた。池田悠舞投手(2年)が完封し、白井賢太郎(2年)が決勝の適時二塁打。エースの香西一希(3年)を体調不良で欠きながら選抜8強の底力を見せた。

 “BIG4”の佐倉(人ベンに峡の旧字体のツクリ)史朗だけではない。九州国際大付には、他にも頼もしい2年生がいる。背番号11、池田が大一番で3安打完封の快投。春夏連続の甲子園出場を決めた。104球で四球もわずか1。奪三振は3つ。テンポよく打たせて取り、三塁を踏ませなかった。

 「決勝で完封できたことよりも香西さんを甲子園に連れて行けることの方がうれしい」

 今春の選抜を1人で投げ、チームを8強に導いたエースの香西一希(3年)が体調不良で4回戦を最後に欠場。池田は5回戦から全試合に先発した。昨秋の神宮大会では打撃投手として同行し、選抜でベンチ入り。「香西さんが甲子園で投げている姿を見て、自分もこうなりたいと思った。神のような存在。帰ってきてからは“甲子園で投げたい”という気持ちで練習してきた」。選抜後はキャッチボールの相手が香西に代わり、成長した。今春の九州大会準々決勝の波佐見(長崎)戦で完封。投手陣の主力の一人になった。

 重圧に動じない。楠城徹監督も「今大会は池田の成長に尽きる」と目を細めた。公式戦完封は3度目。スコアは全て1―0だ。リードした野田海人捕手(3年)は「要求通りに投げてくれた。本当に感謝」。4回戦以来のベンチ入りを果たした香西も「池田が1点も与えられない展開でしっかりと踏ん張ってくれた。頼もしかった」と絶賛した。

 決勝点も2年生のバットから生まれた。0―0の8回2死二塁、途中出場の白井が左中間を破る値千金の適時二塁打を決め「スライダーが高めに抜けてきていた。それを狙っていた」と胸を張った。

 選抜で全試合スタメン出場しながら、今夏は3回戦の光陵戦でアウトカウントを間違う走塁ミスで交代。その後はスタメンから遠ざかった。それでも腐らず、決勝もベンチから相手投手を研究し、備えていた。「公式戦では初の決勝打。選抜はなかなか打てなかったので、甲子園では打って貢献したい」と意気込んだ。

 選抜は8強で散ったが、夏で2年生が急成長しチーム力は全国屈指。九州国際大付が、大目標の日本一へ突き進む。(本間 正則)

 ○…2年生BIG4の1人、佐倉(人ベンに峡の旧字体のツクリ)史朗(2年)は無安打に終わった。4回無死二塁では申告敬遠。5回2死一、二塁ではニゴロ、7回1死一、二塁ではニゴロ併殺打。「自分が決めたい気持ちが強すぎて力が入ってしまった。それでも夏はチームが勝てればいいし、守備などで盛り上げられた。打撃は(いい)評価ができる大会になったと思う」。準々決勝、準決勝の2戦連発など今大会で3本塁打をマークした高校通算21発のスラッガーは、春夏連続出場に「日本一が目標。自分が打って貢献したい」と闘志を燃やした。

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