日本文理 3大会連続12度目V!立役者・田中が聖地で主役だ!熱投151球

[ 2022年7月29日 04:30 ]

第104回全国高校野球選手権新潟大会決勝   日本文理2ー1帝京長岡 ( 2022年7月28日    ハードオフ新潟 )

<日本文理・帝京長岡>プロ注目のエース田中は延長11回を投げ抜き、優勝に貢献した
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 第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から17日間、甲子園)の出場を懸けた地方大会は28日、各地で15試合が行われ、新潟大会決勝は日本文理が帝京長岡を下して3大会連続12度目の夏切符を手にした。最速150キロ右腕の田中晴也(はるや)投手(3年)は延長11回を投げ抜き、3安打1失点で完投勝利。今秋ドラフトでも1位候補に挙がる「北信越の怪腕」が聖地に駒を進めた。

 

 気力で投げ続けた151球が報われた。1―1の11回2死一、三塁から劇的なサヨナラ勝ち。また聖地に行ける。エース・田中は11回を3安打1失点で勝利に導き「甲子園という結果が出てうれしい。(帝京長岡の)茨木投手に負けられないという気持ちと仲間のためにという気持ちで投げました」と笑った。

 ユニホームの右太腿付近は血で赤く染まっていた。7回で149球を投じた準決勝の北越戦で右手人さし指のマメをつぶしていた。だが、大黒柱として投げないわけにはいかない。5回2死一、二塁のピンチでは、準決勝まで打率・556の強打者・幌村黛汰(だいた=3年)にこの日最速の145キロの直球を投じて空振り三振。吠えた。6回以降は安打を許さず11回を3安打1失点。「最後は本当に気持ちで投げ抜きました」と汗を拭った。

 1メートル86、92キロの本格派右腕。昨夏の甲子園では初戦の敦賀気比(福井)戦に先発し、8失点で敗れたが、最速147キロをマークして全国に名を売った。春の県大会には全12球団のスカウトが集結。他校も「打倒・田中」を口にするなど徹底マークされたが「常に向上心を持てる状態にさせてもらっている」と前向きに捉える。プロからの熱視線も、包囲網もパワーに変え、準決勝の北越戦では自己最速の150キロをマークするまでに成長。元ヤクルトの本間忠投手コーチが「のみ込みが早いので教えていて楽しい」と語る野球センスも武器の一つだ。

 09年は決勝で中京大中京に惜しくも敗れた。昨夏の悔しさを胸に成長してきた田中は「甲子園をまだいい場所とは思えていない。勝たなければいい場所とは思えない」と語り「ここがゴールじゃない。スタート地点」と力を込める。東北の怪物である花巻東の佐々木や盛岡中央の斎藤は進めなかった聖地。北信越が誇る剛腕の夏は、まだまだ終わらない。(棚橋 孝太)

 ◇田中 晴也(たなか・はるや)2004年(平16)6月6日生まれ、新潟県長岡市出身の18歳。小2で赤城ベースボールクラブで野球を始める。長岡南中では軟式野球部に所属。3年時には県選抜に選ばれ、全国大会で3位に。日本文理では1年秋からベンチ入りした。1メートル86、92キロ。右投げ左打ち。

 ▼ロッテ・榎康弘スカウト部長 ここという時の球の強さは魅力。連戦で疲れもある中で、強弱をつけてゲームメークができる。甲子園での投球が楽しみ。

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