ソフトバンクが再び支配下登録した黒瀬「感謝の気持ちでいっぱい」藤本監督への恩返し必ず!

[ 2022年7月29日 04:45 ]

支配下登録された黒瀬は新背番号が「12」に決まり笑顔でポーズ(撮影・岡田 丈靖)          
Photo By スポニチ

 ソフトバンクは28日、育成の黒瀬健太内野手(24)と支配下選手契約を結んだと発表した。新背番号は「12」、年俸は650万円。和歌山・初芝橋本で高校通算97本塁打を放ち、15年ドラフト5位で入団した右の大砲候補。戦力外と育成での再契約を経て、再び支配下リストに名を連ねた。再スタートラインに立った7年目。福岡市内で行われた会見では新人時代から指導を受けた藤本博史監督(58)への恩返しを誓った。(金額は推定)

 黒瀬は黒髪の短髪、黒のスーツ姿で会見に臨んだ。4年ぶりの再支配下登録。前日27日に吉報が届き、「うれしかったですし、やっと戻ってこられたなと。“よし、こっからや”という気持ちが強かった」と心境を明かした。

 苦節7年――。和歌山・初芝橋本から15年ドラフト5位で入団。「高校通算97本塁打」で期待されたが、3年目オフに戦力外通告を受け、育成で再契約。「もう野球は向いてないのかな…」。何度も心は折れかけたが、球団の期待が支えになった。

 「毎年毎年、この成績ではクビになると思っていた。でも球団の方から“期待している”と言っていただいて7年目を迎えることができている。感謝の気持ちでいっぱいなので、ホークスで活躍したい気持ちは強い」。今季はウエスタン・リーグで36試合に出場。「腹をくくった」というシーズンで2軍戦で自身過去最高の7本塁打をマークしている。打率も・260とまずまずの数字を残し、1軍への挑戦権を得た。

 1軍監督はルーキー時代、当時2軍打撃コーチとして指導を受けた藤本監督。良い時も悪い時も寄り添ってくれた思い出を回想し「本当にお世話になっています。もっと実力をつけて、藤本さんを勝たせられるように頑張りたい」と恩返しの気持ちは人一倍強い。

 21年オフから自主トレを共にする巨人・中田からは「おめでとう」と祝福され、「これで満足するなよ。支配下になったら周りの目も変わる。これから厳しいことがいっぱいあるから気を抜かずに頑張れ」とエールを送られた。

 チームは現在首位だが、5位まで2・5ゲーム差の大接戦。左投手攻略が鍵となるだけに「ここぞで長打、ホームランをたくさん打って、打点を挙げたい」。後半戦で勝負強い一打を見せ、V奪還の立役者になる可能性を秘めている。(福井 亮太)

 【黒瀬に聞く】

 ――感謝の気持ちを伝えたい相手は。
 「お父さん、お母さんには伝えた。お母さんは、ボロ泣きして電話で何を言っているか分からなかったけど、凄い喜んでくれていたので、うれしかった」

 ――背番号12番については。
 「高谷さんがずっとつけていたイメージ。高谷さんには選手の頃から凄く可愛がってもらっていた。その番号をつけさせてもらえることになったので、活躍したい」

 ――王会長からも指導を受けてきた。
 「キャンプから、筑後での練習の時まで声を掛けてもらった。本当に感謝の気持ちでいっぱいですし、何とか1軍で結果を出して恩返しをして、頑張っていきたい」

 ◇黒瀬 健太(くろせ・けんた)1997年(平9)8月12日生まれ、大阪府泉南市出身の24歳。新家小1年から「新家スターズ」で野球を始める。一丘中では「貝塚ヤング」(硬式)に所属。初芝橋本では高校通算97本塁打をマーク。15年ドラフトで5位でソフトバンク入団。1軍出場なし。18年オフに戦力外通告を受け、背番号「126」で育成選手として再契約。1メートル82、99キロ。右投げ右打ち。
 

続きを表示

2022年7月29日のニュース