BIGBOSSら指導の名将、筑陽学園・江口監督 37年の高校野球指導に幕「やり残したことは一切ない」

[ 2022年7月29日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権福岡大会決勝   筑陽学園0―1九州国際大付 ( 2022年7月28日    北九州市民 )

<九州国際大付・筑陽学園>ナインに話しかける今夏限りで退任する筑陽学園・江口監督(撮影・柴田 春男)
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 第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から17日間、甲子園)の出場を懸けた地方大会は28日、各地で行われた。福岡大会決勝では九州国際大付が筑陽学園に1―0で勝ち、6年ぶり8度目の夏の甲子園出場を決めた。筑陽学園は今夏限りで退任する江口祐司監督(59)のもとで好勝負を演じたが、一歩及ばなかった。

 今夏で退く筑陽学園・江口祐司監督の最後の大会は準優勝。泣き崩れる選手たちをねぎらう目から涙があふれた。「6回無死二塁で点を取れなかったのが全て。負けたことはすべて私の責任」と悔やんだ。

 5回まで0―0で「理想の展開だった」。先発・木口永翔(3年)が走者を出しながらも粘り強く好投した。準決勝の1/3イニングを除く全イニングを一人で投げてきた。「木口は最高の投球をした。負けて申し訳ない。大エースになった」とねぎらい、「プロで活躍する選手になっていける」とエールを送った。

 1986年に西日本短大付のコーチとなり、1999年に筑陽学園の監督に就任。春夏3度の甲子園出場に導き、長野久義(広島)らを育てた。西日本短大付時代は日本ハム・新庄剛志監督も指導した名将。「最後こんな形になったのは何か足りないものがあったと思う」。それでも「目の前に甲子園があって3年前は勝てたが…。高校野球は難しい。でも素晴らしい」と振り返った。

 「江口先生のため」と劇的な逆転勝利を重ねて決勝に進んだナインに「成長して頑張ってくれて感謝しかない」。3年生全員が担任生徒で「野球をやりたいというなら全員続けさせる」とこれからは進路指導に全力投球する。「37年も高校野球に携わることができた。やり残したことは一切ない」。柔らかな笑顔でグラウンドを見つめた。(村田 有子)

 ▼筑陽学園・木口永翔 8回に粘れなかった。3年間自分を投げさせてくれて江口先生にはありがとうと言いたい。今後はプロを目指したい。志望届は先生とも相談して決めたい。

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2022年7月29日のニュース