阪神 佐藤輝、近本の連続失策から勝利逃す 井上ヘッド「たまに出る選手のミスじゃないからね」

[ 2022年7月21日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3―5広島 ( 2022年7月20日    マツダ )

<広・神>7回1死一、二塁、小園の右前打をファンブルし、二走・坂倉の生還を許す佐藤輝(撮影・北條 貴史)
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 阪神は20日、広島戦に3―5で痛恨の逆転負けをした。敗因は痛恨の拙守。2点優勢の7回に、佐藤輝明内野手(23)、近本光司外野手(27)の連続失策が絡んで4失点。あと1勝に迫っていた史上3球団目の通算5500勝はお預け。3月25日の開幕戦に敗れて以来となる「借金1」も手のひらからすり抜けた。前半戦最後のカードとなる22日からのDeNA3連戦(甲子園)に全て勝ち、球宴までの勝率5割を目指す。

 目を覆いたくなるような守備が続いた。2点優勢の7回1死一、二塁。小園の右前打を右翼の佐藤輝がはじいた。打球処理をもたつく間に、三塁を回って一度は本塁突入をちゅうちょした二塁走者の坂倉に生還を許した。

 「たまに出る選手のミスじゃないからね。ウチの看板選手がポロポロやって。特に外野手がああいうミスをやると致命傷。失点につながるのは明らかで。浜地がある意味、かわいそうというか」

 井上ヘッドコーチは冷静な口調で、厳しく叱責(しっせき)した。守備の乱れはこれで終わらない。続く磯村の左中間寄りの打球を、昨季ゴールデングラブ賞の近本が追いついたものの、まさかの落球。満塁にピンチを拡大し、代打・羽月の二ゴロ併殺崩れの間に同点とされた。

 試合後に「防げた失点」と聞かれた矢野監督は「そうやね。(痛恨の失策?)本人に聞いてくれよ」と表情を曇らせた。

 7回、先頭の坂倉に左前打を打たれたところで、2失点好投の先発・西勇を77球で諦めて継投に入った。左キラーの渡辺が1死を奪うと即座に浜地にチェンジ。前夜は同じ7回の1イニングを3人斬りするなど評価がうなぎ上りの右腕は、あってはならない「外野手の1イニング2失策」に足を引っ張られ、同点の後に連打を浴びてさらに2点を失った。

 今季2勝10敗2分けと大きく負け越してこの試合を迎えた広島は、コロナ陽性判定で4番のマクブルーム、堂林が新たに離脱した。ベンチ入りは上限より1人少ない25人だった。戦力ダウンをした相手に、ポロリ、ポロリの連続で逆転負け。失策数はリーグ3番目に多い53に増えた。7月は11個目で、増加傾向にある。同コーチは「毎年毎年、エラーが多いって言われる中で、最近は叩かれることなく、それなりに戦ってきたけれども。そこはふんどしを締め直して行かせる」と語気を強めた。

 あと1勝に迫っていた史上3球団目の通算5500勝はお預け。開幕戦に敗れて以来となる借金1に戻すチャンスも同時に逃し、逆に3に増えた。球宴前の勝率5割へ向けて、22日からのDeNA戦で3連勝をするしかない。本拠地・甲子園の見えない後押しを受けながら、この痛恨の敗戦の傷を払拭したい。(倉世古 洋平)

 【打線も湿りがち】湿りがちの打線も心配だ。この日は初回、2回といずれも2死走者なしから好機をつくって3得点したものの、以降は追加点は奪えず。14日の巨人戦から6試合連続で3得点以下と投手陣を強力援護できていない展開が続いている。この間、4勝を挙げているものの22日からの前半戦最後の3連戦では打線の奮起が期待される。

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